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大切な人達  作者: 曹叡
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第百五十八話

今話から貴志視点になります。

いずみちゃんの従姉妹である小学二年生の真沙美ちゃんにサッカーを教える事になった俺と友成、小学生の女の子なら基本を教えとけばいいだろ、しかし友成は何を勘違いしたか


『 よーし真沙美ちゃん、まずはボールとト・モ・ダ・チになるんだ、それが出来ないととてもワールドカップにはいけないぞ。』


誰がワールドカップにいくんだよ? 確かに女子のワールドカップもあるが真沙美ちゃんにはまだ早いだろう、コーチの方向性がどこかおかしい友成を押しのけ代わりに俺が真沙美ちゃんに練習の説明をする


『 真沙美ちゃん、ボールと友達までならなくていいけどまずはボールに慣れようか? それからドリブルとかパスとかの基本的な事を教えるから、どんなスポーツでも基本は大事だからね、出来る事からコツコツとやろう、なっ。』


『 はーい、アオ兄ちゃん、ボク頑張りまーす♪ 』


真沙美ちゃんは明るい笑顔で頷く、しかし今どきの女の子(まだ小学二年生だが)がサッカーとかね・・・わからないもんだな、でもこんな風に子供が外に出て元気に遊ぶのは俺はいいと思う、趣味や娯楽が多種多様化されてる今の時代にこんな女の子がいてもいいんじゃないかなって、どんなに時が流れゲーム機とかが進化しても公園とかで子供達が遊んでる風景は無くならないでもらいたいな。


サッカーの練習を始めて一時間近く経過した、友成もすっかり真面目に教えてるし真沙美ちゃんものみ込みが早い、ドリブルとかも結構さまになってるし、実は真沙美ちゃんってサッカーの才能があったとか?


『 真沙美ちゃーん、上手くなったじゃな〜い、真兄や青山さんの教え方がいいからかな? 』


いずみちゃんも真沙美ちゃんの上達を褒める、まあ俺達のコーチ云々よりも真沙美ちゃん自身の真剣な努力の賜物だろうけど


『 うん! これで来週の体育、男子に勝てるよ! 男子なんて女子になんか絶対負けるワケないとか言ってるんだからー!! 真司兄ちゃん、アオ兄ちゃん、もっといろいろ教えてよ、ボク、もっともっと上手くなりたいんだから! 』


『 へえー、体育の授業で女子が男子相手にサッカーの試合とかするの? 変わった学校ねー。』


彩花が率直な感想を述べる、確かにあまり聞かない話だな、まあ一種の男女平等って事か、しかしこれ以上真沙美ちゃんに何を教えようか? 基本的な事はほとんど教えて彼女はキチンと身につけたからなあ、俺が考えあぐねてると友成が


『 よし真沙美ちゃん、俺が得意なシュートを特別に教えてやるよ、アオ、キーパーやってくれよ。』


飄々とそんな事を言う、ハッキリ言って変な予感しかしない、そしてその予感は見事に的中したのだ


『 よく見ときなよ真沙美ちゃん、いくぞアオ! これが俺のダブルイールだあああああっ!! 』


思いっきり俺を目掛けて蹴ってきやがった! だけど真正面なので簡単に取れる・・・と思いきや


『 うおっ!! 』


友成の蹴ったボールは俺の真ん前で急に伸びてきたというか速度が早くなり意表をつかれた俺の肩をはじきそのままゴールに入った


『 すっごーーーい真司兄ちゃん!! でもダブルイールってなあに? 』


『 ダブルは2つとか二倍って意味さ、ちなみにイールとはウナギの事だ、カバヤキにすると旨いよ。』


どこぞで聞いた事のあるウンチクを話す友成にいずみちゃんのカミナリが下った


『 真兄・・・8才の女の子にあんなシュート打てる訳ないでしょーが!! ちゃんと出来る事を教えなさーーーいっ!! 』


『 わ、わかったよいずみ! わかったから少し落ち着けって! せっかくの可愛い顔が台無しだぞ!? 』


いずみちゃんを必死になだめてる友成を無視して俺から真沙美ちゃんに話す


『 真沙美ちゃん、俺達が教える事はもうないよ、真沙美ちゃんは努力したからとても上手くなった、自信をもっていいよ、後は皆で力を合わせて頑張ればきっといい結果が出るよ。』


『 そうなんだ・・・じゃあ、みんなで頑張れば絶対に勝てるんだよね? 』


絶対とか言えないけどな・・・勝負に絶対は無いのだから、それにまだ小さい子供なんだし勝ち負けじゃなくスポーツを通じて皆で協力しあう事の大切さを学んでほしいんだけどな


『 ねえ貴志、あっちのベンチに座ってる子、さっきからずっと貴志達を見てるけど私達の中で誰か知り合いでもいるのかな? 』


彩花に言われベンチの方に目を向けると確かに少年が居た、しかし誰かに似てるな、誰だったかな・・・


『 アオ、そろそろ帰ろうぜって、あの子・・・まだ居たのかよ? 』


いずみちゃんと一緒に来た友成だったが俺の視線の先にいる少年を見て驚いてる、友成の知り合いなのか


『 何だよトモ、お前、あの子の事知ってるのか?』


『 いや、知らない子だ、でも俺達がこの公園に来た時から居たと思うんだ、だけど1人だしもう6時過ぎてるしそろそろ帰さないと親も心配するだろうな。』


それには同意だ、俺と友成は少年に声をかけようと近づくと少年は写真を持っていた、その写真をつい見てしまうとそこには・・・


『 母さん・・・。』


その写真に写ってたのは俺と里奈の実母、静香と写真を持ってた少年だったのだ、どういう事だ!? この少年、母さんとどんな関係なんだろうか・・・。

その内に第二話や第三話も修正しようかな・・・。

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