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大切な人達  作者: 曹叡
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第百五十六話

真司視点で進む馬鹿話です。

野郎(おとこ)って奴は〜、そんなー、淋しいー、さすらーいーびと〜♪ 』


学校帰りに上機嫌で歌いながら歩く俺の隣でいずみは


『 平成生まれの高校生でその歌を歌えるのは多分真兄だけだと思う・・・。』


苦笑しながら呟く、それは褒め言葉として受けとっておこう、今日もまたいずみの従姉妹であるボクっ娘、真沙美ちゃんの相手をする為に矢島家に向かう俺、フランスに行ってる真沙美ちゃんの両親がそろそろ日本に帰ってくるらしいので真沙美ちゃんもご機嫌だ、いずみによると真沙美ちゃんは1ヶ月近くも両親と離れて暮らしてたのに寂しい素振りをほとんど見せずに明るく振る舞ってた、しっかりした8才児だよ


『 ただいま〜。』


『 お邪魔しまーす。』


美鈴さんから頼まれた買い物をして矢島家に着いた俺達、玄関で靴を脱ぎ廊下に上がろうとすると靴がいつもより多い事に気づいた、誰か来てるのだろうか? しかしどこかで見た事のある靴のような気がするのは俺の思い過ごしだろうな


『 おかえりなさーーいっ!! 真司兄ちゃん、いずみお姉ちゃん♪ 』


元気のいい声と共に真沙美ちゃんが迎えてくれる、パートから帰ってた美鈴さんも部屋から出てきた


『 おかえり、買い物ありがとね、いずみ、真司くん、うふふ、今日も真司くんは私好みのいい男よね、どうかしら? 今度の土日に私と二人きりで一晩泊まりがけでめくるめく官能的な温泉旅行にでも・・・。』


『 ママ・・・それ以上何か言おうものならこの家から永久追放の刑に処するからね・・・。』


『 あらいずみ、あなたも真司くんと温泉旅行に行きたいの? だったら真司くんに私と行くかいずみと行くか選んでもらいましょうよ、母娘とか関係ない女同士の真剣勝負よ! 』


この母娘はたまに頭が痛くなる不毛な争いをするので巻き添えにならない様に真沙美ちゃんと一緒にリビングに行くとそこには


『 あっ、彩花! そのアップルパイは俺んだぞ!』


『 貴志ったら! 男ならみみっちい事言わない! それにアップルパイならまだあるでしょ! 』


高校3年にもなってお菓子の取り合いをしてる青山と彩花が何故だか居たのだ


『 なんでアオと彩花がここにいるんだあっ!? 』


訳が分からない俺の叫びに隣にいた真沙美ちゃんが笑顔で答えてくれた


『 ボクが学校から帰ってる時に会ったんだよ、このお兄ちゃんは真司兄ちゃんのお友達でしょ〜、だから一緒に遊ぼうと思ってボクが呼んだんだよ♪ 』


そういや真沙美ちゃんと青山は面識があったんだったな、あの目立つ金髪だから真沙美ちゃんもよく覚えてたんだろう、しかしここに連れてくるのはなあ・・・


『 ちょっと真兄! 何黙っていなくなってるのよ! だいたい真兄がねえ・・・って、青山さんに彩花さんじゃないですか、どうしてウチに? 』


俺を追ってリビングに入ってきたいずみと美鈴さんも青山達に遭遇する、家に居た美鈴さんは知ってるだろうからいずみだけに青山達がここに居る理由を説明したらあっさり納得して


『 そうなんですか、わざわざ真沙美ちゃんの為にありがとうございます、何にもない所ですけどゆっくりしていってくださいね。』


青山と彩花に頭を下げる、そりゃ俺だって青山も彩花も善意でここに来てくれた事は分かってる、まったりとコーヒーをすすってた青山は無駄に爽やかな表情で


『 そんな事ないよいずみちゃん、この家は居心地がいい、美味しいお菓子やコーヒーは出るし、何しろお母さんが若くて美しいし、とても高校2年の娘がいる女性には見えないよ。』


えらく美鈴さんを褒める青山、確かに美鈴さんは実年齢より若く見えるしいずみ曰わく、パート先では数人の男性から言い寄られてるとか、しかし全てやんわりと断ってる、もちろん俺へのあの言動も只の冗談なんだろうが再婚とか考えないのだろうか? 年頃のいずみがいるから色々思う所があるのかもしれないけど


『 もー、青山くんてばー、もうすぐ40のオバサンを捕まえて何言ってんのよー♪ でもそう言ってくれて嬉しいわ、ありがと。』


青山から褒められた美鈴さんもまんざらではない様子、可愛らしい3才だな


『 三十代でも四十代でも美しい女性は美しいですから、若いだけが女性じゃないですよ、もし街中でお母さんに会ったら俺、ナンパしちゃうかも・・・。』


・・・さっきからこの好色一代男は何を言ってやがる、人の彼女の母親を口説こうとは不届きな野郎だ、これは天に代わってお仕置きをせねばならないな


『 たーかーしー、さっきから何言ってるのかなあ・・・貧乳フェチだけじゃなく熟女フェチだったなんて・・・里奈に代わって、私が貴志を正しい道に戻してあげるんだからねっ!! 』


『 へっ!? いや・・・ちょっと待てよ彩花・・・話せば分かる! 暴力はイカンぞ暴力は・・・。』


『 問答無用!! 大人しくこの竹刀の錆びになりなさーーいっ!! 』


『 アーーーーッ!!! 』


俺の出る幕もなくオモチャの竹刀を手にした彩花によって青山はメッタ打ちにされてる、その様子を真沙美ちゃんは笑いながら見てる、さあて、この後は何して遊ぼうかな・・・。

この馬鹿話は次話も続きます、そろそろ直樹とその息子も出そうかと。

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