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大切な人達  作者: 曹叡
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第百五十四話

静香達の受験のお話です、少し短いですけど。

 あの風間先輩の一件以来、私達は行動を共にするようになった、市原くんも青山くんもいい人だし鈴も彼らをすんなり受け入れた、そして私達は中学三年になり受験生、そんな勉強に追われる日々を送ってたある夏の日、授業の間の空き時間に鈴が話しかけてきた


『 そんでさ、静香はどの高校受けるの? 』


『 私は新野(しんや)高校を受ける予定だけど、そういう鈴はどこなの? 』


『 奇遇ね〜、実は私も新野高校受けるんだー、お互い頑張って絶対一緒に合格しようね。』


どうにも奇遇とは思えないけど私だって鈴と一緒の高校がいい、そんな話をしてた私達に市原くんは


『 本当かい、僕も新野高校を受けるんだ、あの高校は県内じゃ上位の進学校だからね、よかったら一緒に勉強しないかな? 教えあいながらすると効率もいいしね、それに・・・。』


そう言った市原くんは他の友達とお喋りしてる青山くんを見て


『 哲也も新野高校を受けたいらしいんだ、哲也の実力じゃ難しいかもしれないけど今から頑張ればなんとかなるかもしれない、2人も哲也に勉強を教えてくれないかな? 僕1人じゃ厳しいからさ・・・。』


私と鈴は二つ返事で承諾した、市原くんは学年でトップ5に入る成績の持ち主だしそんな彼が勉強を教えてくれるのはとても助かる、単純にこの4人で同じ高校に行けたらなと思った。


それから数ヶ月、市原くんの教え方は丁寧で分かりやすく私達はメキメキ学力を上げていった、心配されてた青山くんも私達と同じ高校に通いたい一心か見違えるほど学力を上げていた


『 ねえ市原くん、市原くんは将来の事、何か考えたりしてるの? 』


鈴と青山くんが用事があるらしく市原くんと2人で私の家で勉強してたある日、私はふと市原くんにそんな事を聞いてみた、彼がどんな未来を歩むのか少し興味があったから


『 何だい急に、今はまだそんな先の事は考えてないよ、高校、大学に進んでそこで考えるつもりだけど、それがどうかした? 』


『 ううん、ちょっと聞いてみただけ、市原くん大学行くんだ、やっぱりしっかりしてるね。』


そんな雑談を交わしながら勉強を続けていく、いま家には私と市原くんの2人だけ、叔母さんはみちるちゃんと買い物に行ってあと一時間は帰ってこない、別に変な期待をしてる訳じゃないんだけど・・・


『 そういえば家の人は? あんまり長居も悪いしそろそろ帰ろうかな。』


市原くんは気を使ってかそんな事を言い出した


『 まだいいよ、叔母さんも買い物から後一時間は帰ってこないし。』


『 叔母さん? お母さんじゃないの。』


そっか、鈴は知ってるけど市原くん達は私の両親がもうこの世にいない事はまだ知らない、少し迷ったが市原くんならこんな事情を知っても私を馬鹿にしたりしない、私は全てを話した


『 そうだったんだ・・・強いんだね、橘さんは・・・僕は橘さんを尊敬するよ、その叔母さんも娘さんもいい人だし、ご両親だってきっと天国から橘さんの事を見守ってるはずだよ。』


『 ありがと市原くん、ちょっと元気でた。』


言葉こそ少ないけど凄く嬉しかった、他人からこんな事を言われたのは初めてだったから、そして本気で言ってくれてるのも分かる、市原くんは嘘をつくような人じゃないから



『 じゃあまたね橘さん、これからも何かあったら話してよ、僕でよかったら力になるからさ。』


『 うん、頑張って一緒に合格しようね。』


叔母さん達が戻る前に市原くんは帰る、彼を送る私の胸は高鳴ってた、この時私ははっきり自覚した、私は市原くんの事が好きなのだ、もしかして今日以前から既に好きだったのかもしれない、頑張って新野高校に合格しよう、そしたら市原くんと一緒に高校生活を送れるから・・・。

少し駆け足気味に次話で静香の過去話を終えたいと思います、いい加減貴志や真司を出したいので・・・。

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