第百五十話
只今、一人暮らしの我が家に幼い居候がいます、子育てをなさってる人々、本当に尊敬します・・・。
今回は静香の過去話です、主人公は一切出てきません、あしからず。
学校帰りに鈴とハンバーガーを食べて少し遊んだ後、私達は家に帰った、私の両親は私が小学生の時に交通事故で2人共死んだ、だから親戚の家に居候させてもらっている
『 ただいまー。』
『 お帰りなさい、もうすぐ夕飯だからね、早く着替えてきなさい。』
私を引き取ってくれた親戚の叔母さんはとても優しかった、両親をいっぺんに失って行く所がなかった私を快く引き取ってくれただけでなく実の娘と変わらぬ愛情で接してくれたしその叔母さん夫婦の娘、みちるちゃんも私を本当の姉のように慕ってくれた、部屋に行こうとする私に明るく声をかけてくる
『 おかえり静香さん、ちょっと宿題で解らない所があるんだけど後で教えてくれないかなあ? 』
『 わかったわ、みちるちゃん、晩ご飯食べ終えたら教えたげるからね。』
『 ホント! ありがとー静香さん♪ 』
こんな感じで両親がいないとはいえ楽しい日々を送ってた、学校でも鈴とか友達もいるしそれなりに充実した生活だと思う、中学二年生の私は不満のない生活をエンジョイしていた。
翌朝、鈴と一緒に学校に登校すると青山哲也くんの周りに人が集まってた、そういえば昨日、交番に市原直樹くんと一緒に居たけどそれと関係あるのかな?
『 本当か! 青山と市原が女の子を助けようとしてケンカしたとか? 』
『 信じられねえなー、青山はともかく市原とかケンカなんて無理だろ? 』
『 ホントだって、なあ直樹、まあほとんど俺が1人でやったようなモンだけどな、相手も高校生の癖に中学生2人に5人がかりで来るんだからつい張り切っちまったよ。』
話を聞く限りあの2人は高校生とケンカをしたみたいね、なんか女の子を助けようとしたとか、直情的熱血漢な青山くんならやりそうな事だけど物静かで冷静な市原くんもとかちょっと意外だった、というか何でこんな正反対な2人が親友同士なんだろう?
『 そんな自慢げに話す事じゃないだろ哲也、だいたい哲也がやりすぎたから警察まで連れて行かされたんだぞ、もう二度とあんな事は手伝わないからな! 』
市原くんは少し不機嫌そうに言う、もしかしてこの2人、5人の高校生に勝ったって事? それって凄いわね、青山くんは強そうなイメージだけど市原くんはそんなイメージとは無縁な感じだったから少し意外ね
『 まあそう言うなよ、俺1人じゃ負けてたかもしれない、お前がいたから5人相手に勝てたんだぜ、つまりあの子を助ける事が出来たんだ、これでもお前には感謝してんだぞ、直樹。』
『 哲也・・・。』
この2人、何かカッコいい関係だと思う、特に市原くんのギャップが強く印象に残った、普段は物静かでクールだけどいざという時は本気を出す、ちょっといいなと思ってしまった。
放課後、鈴と2人で帰ろうとして靴箱を開ける、開けた私の靴箱にはまた手紙が入ってあった、思わずため息が出てしまう
『 どしたの静香〜、あっ! またラブレターがあったのね!? 相変わらずのモテモテぶりですね〜。』
『 もー、鈴ったら、は〜、また行かなきゃいけないのかしら・・・。』
手紙の封を開けたら屋上で待ってますと書かれてた、差出人は先輩の風間さん、生徒会の会長で成績も学年トップクラスのこれまた美形男子で学校の女子人気ナンバーワンなのだ
『 ウソーーっ!! あの風間先輩からなのーー!! どうすんのよ静香! 』
鈴は相当興奮してる、まるで自分宛てに風間先輩からの手紙が来たみたいに
『 とりあえず行ってみるわ、先輩からの呼び出しを無視するのも悪いしね。』
こうして私は風間先輩の指定した屋上に向かう、鈴は後で結果を教えてねと先に帰ったいった。
屋上に来たけどそこには誰も居なかった、手紙には待ってますとか書いてあったのに誰も居ないとかどういう事なんだろ? とりあえず10分くらい待ってたけど屋上には誰も来なかった
『 呼び出しといて何なのよっ!! 人を馬鹿にしてんじゃないの!! 』
私は大いに怒り屋上を後にした、これが騒動になるとも知らずに・・・。
後2話くらいは静香の過去話です。