第百四十九話
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食卓に私と貴志、里奈が座って夕食を食べている、里奈が作った料理はどれも味といい量といい文句なしの出来だ、貴志に聞いてみたら小学4年生の時から里奈は料理の本で一生懸命勉強したらしい、中学生になる頃には料理の腕前は相当のレベルだったそうだ
『 お兄ちゃん、おかわりいる? 』
『 ありがと里奈、じゃあお願いな。』
『 うん、まだまだあるからたっくさん食べてね、里奈、お兄ちゃんが美味しそうに食べてくれるからとーーっても嬉しいの♪ 』
兄妹は私の存在などそこにないかのように2人だけの世界に入ってる、3人でいて私からは一言も発する事はない、私が何か言おうものなら里奈はたちまち不機嫌になるから
『 ねえお兄ちゃん、今日家庭科の授業でね、蒼太くんのクラスと里奈のクラスの合同でクッキー作りしたんだよ。』
『 クッキー作りか? てか男子も作ったのか。』
『 そーだよ、夕奈ちゃんも紗恵ちゃんも美味しいクッキー作ったけど蒼太くんなんてチョコチップクッキー作ってたんだよ♪ 』
里奈は本当に楽しそうに学校での出来事を話す、それを聞いてると敦士もよく食事中に学校とかで友達と遊んだ事を楽しく話してたのを思い出して何だか淋しくなってしまう
『 蒼太くんのクッキーもホント美味しかったんだからー、男子も女子も先生もみんな凄いって、店にあってもおかしくないレベルだって言ってたんだよ。』
『 蒼太がクッキー作りねえ・・・あいつは俺やトモと違って真面目で優しいし礼儀正しいしイケメンだし身長高いし運動神経いいし成績いいし彩花によると家事全般もこなすらしいし・・・って、そんなのどこの完璧超人だよっ! 』
確かに凄い、まるでマンガみたいな人ね、本当にそんな人っているのかしら?
『 でも蒼太くん言ってたよ、まだまだお兄ちゃんや友さんには及ばないなって、蒼太くんって本当にお兄ちゃんや友さんの事を慕ってるんだね♪ 』
嬉しそうに話す里奈の笑顔が眩しい、だけど貴志ってそんなすごい子から慕われるような先輩なんだ、人は見かけによらないって事かしら、まあ私には全然関係のない事だけど
『 蒼太がそんな事言ってたのか・・・里奈も2年生になったら先輩になるからな、後輩には優しくしろよ、まあ里奈なら大丈夫なんだろうけどさ。』
『 はーい、里奈、お兄ちゃんや奈津美さん達みたいに優しくて人を思いやれる先輩になるからね♪ 』
目をキラキラさせて里奈は話す、私がいなくても貴志や里奈は健やかに成長していたみたいで少しだけホッとした、学校でも良き友人達に囲まれ楽しい学校生活を送ってる様だし、そう考えてたら自分の学生時代を思い出していた、直樹や哲也との事を・・・
――――
中学時代、私はそれなりに男子から人気を持つ女子だった、男子から告白される回数も多々あったがどうにも気が乗らずどの告白も受ける気になれなかった
『 静香、アンタ松本君からの告白断ったんだって! 松本君って校内1の美男子じゃない、一体全体何が不満なのよー、いい加減バチが当たるわよ。』
今日も同じクラスの友人、矢沢鈴からそんな事言われるのだがいくら美男子でもよく知らない人といきなり付き合うなんて私には無理だ
『 いくら美男子でも嫌なのは嫌なの! それより鈴、今日帰りヒマ? ヒマなら何か食べに行こうよ。』
『 まったく・・・静香にはかなわないなあ、いいよ、ハンバーガーでも食べよっか、ちょうど私もお腹すいたトコだしね。』
こうして結論は出た、私と鈴は学校が終わった後、2人で街に出てハンバーガー店を目指して歩き出す、いろいろ雑談をしながら歩いてると鈴が急に声を出した
『 あれっ、ねえ静香、あそこの2人って市原君と青山君だよね? 』
鈴の指差す先は交番でそこには警察官から質問をされてるらしきクラスメートの市原直樹君と青山哲也君の姿があった、あの2人はいつも行動を共にしてる仲良しコンビだ、交番で何してるんだろ・・・。
次話も静香の回想編です。