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大切な人達  作者: 曹叡
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第百四十六話

奈津美視点です。

昼下がりの授業時間、私は愛する人の横顔を眺めながら幸せなひと時を過ごしてます、私の隣の席に座る髪を金色に染めた目つきの鋭い男の子、いつも他人の為に一生懸命な男の子、昼下がりの授業だからか眠たそうに瞼を閉じかけてる男の子、青山貴志くんは私に見られてるとも知らず夢の世界に旅立とうとしてます、しかし貴志くんよりも一足先に夢の世界に旅立ってた彼の相棒は・・・


『 う〜ん・・・警部ぅー・・・自分を函館に行かせてくださ〜い・・・ムニャ・・・ほらぁ〜・・・いくぞ桜田〜・・・。』


『 お〜い、誰かその刑事気分の大馬鹿野郎を起こしてやれ〜。』


先生はとっくに気づいてます・・・真司くんたら、あんなハッキリな寝言じゃ気づかれても仕方ありませんわ、真司くんの隣に座ってるクラスメートが起こそうとすると真司くんはいきなり大声で叫びました


『 山さん!! アンタ何年デカやってんだよっ!!! 』


・・・あれはもう寝言とは言えませんわ、それともわざとなのでしょうか? 結局真司くんは先生から叩き起こされ授業後にみっちり説教されました。


授業が終わり放課後になるといつもの4人で集まり少しの時間だけ雑談をするのが習慣になってます、私のお気に入りの時間です


『 真司ってば・・・夢の中じゃもう刑事になりきってんのねー、てかあんなに堂々と寝てたらそりゃ怒られるわよ。』


『 だって眠たかったんだからしょうがないだろう、人がせっかくいい夢見てたってのによぉ、あの教師、俺が刑事になったら真っ先に検挙してやる!! 』


『 完全な逆恨みだな・・・大体俺ならトモみたいに授業中の教室であんな堂々とは寝ないなあ、寝たいんなら仮病でも使って保健室に行けばいいんだよ。』


『 貴志くん! そんな不純な理由で保健室に行ってはいけませんわ! ちゃんと授業は受けなきゃ駄目なんですからね。』


私達は深く考えずただ思い思いに談笑してます、小・中学時代は友達の少なかった私ですけど高校に入って貴志くんと出逢って・・・真司くんや彩花さんにも出逢って・・・里奈さん、蒼太くん、夕奈さん、いずみさん、紗恵さん、皆さん私の大切な人達です、この人達が友人であるという事は私の一番の自慢ですわ。


今日の帰りは貴志くんと2人きりです♪ 真司くんは用事があると、彩花さんは勉強の為に先に帰りました、真司くんはともかく彩花さんは受験生です、彼女が志望校に合格する事を心から祈ってますわ


『 貴志くんは大学に行かず卒業後はどこかに就職なさるのですよね? 』


『 うん、何か手に職つけて資格を取ろうかなと思ってね、それなら早い方がいいし、頑張ってお金稼いで里奈を大学に行かせなきゃいけないから大変だよ。』


確かに就職も1つの進路です、無理に大学に行く必要もありません、でも・・・


『 里奈さんは多分・・・大学には行かないと思いますわ・・・。』


貴志くんは怪訝な表情をしてます、だって私も里奈さんの立場なら・・・


『 貴志くんが頑張って大学に行かせようとするのは里奈さんも嬉しく思うでしょうけど・・・その為に貴志くんに多大な苦労をかけさせるのをきっと里奈さんは望まないと思います、里奈さんなら貴志くんとの生活の為に進学よりも就職を選ぶと思いますわ。』


私だって貴志くんだけ働かせてそのお金でのうのうと大学に行くよりも一緒に稼いでより良い生活をしようと考えます、里奈さんも間違いなくそう考えますわ、私には分かります


『 ・・・確かに里奈の人生だしね、進学にしろ就職にしろどうしたいかは里奈が決める事なんだよな、俺はただ里奈が幸せになる為に頑張るだけさ。』


『 それじゃあ私はそんな貴志くんをずっとそばで支えますわ、3人で世界一幸せになりましょうね。』


私がそう言うと貴志くんは照れくさいのでしょうかそっぽを向いてしまいます、何だか可愛らしいですわ、このまま彼の事を食べちゃいたいくらいです。



貴志くんと別れて自分の家に帰ってると途中にあるスーパーの脇の駐車場でどこかで見た事のある人が携帯で何やら話してました、あの人は確か・・・


『 もう少し待ってよ! 必ずあの2人は追い出すから、そしたらあの家で3人で暮らしましょうよ。』


貴志くん達の叔母様です、あの2人ってまさか貴志くんと里奈さんの事なのでしょうか? 追い出すって一体・・・もしかしたらですけどあの人は叔母ではなくて貴志くん達の実母なんじゃないでしょうか・・・。

次話は貴志達の母、静香視点で書きます。

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