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大切な人達  作者: 曹叡
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第十四話

彩花の話だけど貴志視点です。

どうしたんだ一体? 俺は自分が言われた侮辱よりも今にも泣きだしそうな四森さんの事が気になった


『 だって・・・だって・・・青山君見てたら私・・・悔しくって! どうして前田さんに何も言わないんだって思ったらどうしても・・・ぐすっ、ううっ、うぇーん・・・。』


とうとう泣き出してしまった、周りに注目される前に俺たちはその場を離れ近くの公園に向かう事にした




『 ねえお兄ちゃん、どうしよっか? 』


近くの公園についた俺達はとりあえずベンチに腰をかけた、四森さんはまだ泣き続けてる、いつもの強気な態度が嘘みたいに


『 そうだな、このまま行くってのも何だかな、なあ蒼太君、四森さんって過去に何かあったのか? 』


言ってからしまったと思った、こんな事はあんまり聞くべきじゃないと


『 ええ・・・あんまり気分のいい話じゃないんですけどね・・・。』


それでも蒼太は話してくれた、実は四森さん、一年前に東明高校とは別の高校で友人を怪我させたのだという、揉み合って突き飛ばした際に運悪く腕を骨折させてしまったのだ、揉み合った原因はその友人が当時四森さんが付き合ってた彼氏を寝取ったとか、友人の怪我については友人の両親と話し合い示談で済んだのだが本来四森さんを庇うべき彼氏は四森さんをあっさり見捨てた、そして怪我させた友人とその両親には二度と顔を見せるなと言われた、それで春休みになるとまるで逃げる様に東明高校に転校してきて現在に至るとの事だそうだ・・・


『 そりゃ辛かっただろうな、友人だけでなく恋人にまで裏切られたって酷い話だよ・・・。』


『 そうですね・・・でも四森さん・・・なんでお兄さんに・・・ああ突っかかっていったんですか・・・お兄さんは・・・関係ないじゃないですか・・・。』


夕奈ちゃんが当然の疑問を抱く、確かに四森さんは必要以上に俺と理子の事を知りたがっていた、噂から俺が理子に振られたというのは知ってた様だが


『 ごめんね青山君、私、あの話・・・前田さんが青山君を振って工藤君と付き合ってるって聞いて前田さんと工藤君があの2人・・・私を裏切ったあの2人とダブって見えたの、だから何もしない青山君を見てたら歯がゆくてついあんな事・・・本当にごめんなさい、好きなだけ私を責めていいから。』


そう言って初めて笑顔を見せた四森さん、しかし自虐的な笑顔、俺が見たいのはそんな四森さんじゃない


『 なあ四森さん、俺だって君ほどじゃないけど辛い経験をした、本当に理子が好きだったし俺の何が悪くて工藤の何がいいのか分からなかった、工藤を理子に取られて自信がなくなった俺を里奈は・・・妹は力強く励ましてくれたんだ。』


『 お兄ちゃん・・・。』


『 それに俺を励ましてくれたのは里奈だけじゃない、高野さん、夕奈ちゃんも、それにトモ、いずみちゃん・・・俺には大切な人達がこんなにいたんだって分かったらもう理子とか工藤とかどうでもよくなってたよ。』


里奈も夕奈ちゃんも目をうるうるさせてる、我ながら言い方が恥ずすぎるかな


『 四森さん、辛い過去ってのは確かになかなか忘れる事なんて出来ない、でも昨日より今日、今日より明日、未来にはとっても楽しい事があるかもしれないだろ、俺は四森さんや蒼太君と楽しい事を共にしたい、喜びも悲しみも四森さん達と共有したいんだ。』


俺は思った事を四森さんに話す、夕奈ちゃんや蒼太もそうだって感じで頷いてた


『 四森さん、蒼太君も、よかったら俺達の友達になってくれないかな? これからは楽しい事を皆で一緒にしていこう! 辛い事なんてパァーッと吹き飛ばすくらいにさ。』


『 いいの? 青山君、私・・・あんな事言ったのに青山君達の友達になってもいいの? 』


『 当たり前だろ! 俺がいいって言ってるんだ、なあ里奈、夕奈ちゃん。』


『 うんっ♪ よろしくね、四森さん、蒼太君。』


『 はい・・・私も・・・友達ですから・・・。』


『 ・・・ありがとう・・・ぐすっ・・・みんな・・・ありがとうっ!! 』


こうして今日、俺達に新しい友達が2人出来た、そしてその後、俺が本当に見たかった笑顔を四森さんは見せてくれた。





それから俺たち5人はようやく採寸屋に行った、そこで知ったがやはり蒼太も東明高校に入学するみたいだ


『 そういう事ですので青山さん、里奈さん、夕奈さん、姉さん共々これからよろしくお願いします。』


礼儀正しく頭を下げる蒼太、その時、試着室のドアが開き制服をまとった里奈と夕奈ちゃんが出てきた


『 お兄ちゃん、見て見てー、似合ってるかな♪ 』


『 私、どうですか・・・、お兄さん・・・。』


『 ああ・・・2人とも似合ってるよ。』


里奈も夕奈ちゃんも高校の制服が似合う年頃になったか・・・感慨深いな


『 どうしたの貴志? もしかして妹達の制服姿に悩殺されちゃったのかなー♪ 友成君の言ってた通り貴志ってシスコンだったんだね、そんなんじゃ彼女とかできないぞ♪ 』


いきなり俺を貴志と呼ぶ四森さん、慣れない呼ばれ方に戸惑ってると四森さんが俺の隣に来て突拍子もない事を言い出した


『 これからは貴志って呼ぶからね、そのかわり貴志も私の事は彩花って呼ぶのよ、分かった! 』


口調は少しきついがその表情は穏やかだった


『 分かったよ彩花さん、これからは・・・。』


『 違うでしょ! 彩花さんじゃなくてあ・や・か!! ほらもう一回! 』


『 あ・・・彩花? これでいいのかな・・・。』


『 うーん・・・まだぎこちないけどそれはこれから良くしていけばいいよね、じゃ貴志、これからみんなでボーリング行かない? 私も蒼太も上手いんだから、勝負しようよ♪ 』


その後、彩花に押し切られる形て俺達5人はボーリングに行った、スコアは蒼太の圧勝、二位は俺、彩花は三位、里奈や夕奈ちゃんは・・・まああんなもんだろ、女の子だしな


『 くやしーーっ!! 貴志! 次こそリベンジだからねっ! 覚悟なさいよ。』


ボーリングの帰り道、彩花は悔しそうに俺に噛みつく、だけど今までの様なトゲトゲしさはなく心許した友達に接する態度に見えた


『 じゃあね貴志、里奈、夕奈、またみんなで遊ぼうね、それじゃ♪ 』


『 皆さん、今日はありがとうございました、本当に有意義な1日でした。』


そう言って四森姉弟は帰っていった、春休みはまだまだこれから、明日はどんな1日になるのやら・・・。

自分で書いててちょっと展開が強引な気がします、小説は難しいです。

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