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大切な人達  作者: 曹叡
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第百三十七話

4人の弁当対決の決着編です。

運命の朝がやってきた、時刻はまだ7時前、ウチには待ちきれなかったのかすでに奈津美さんと彩花、夕奈ちゃんも来てる、学校に行くのは弁当対決の結果を決めてからにしたようだ


『 それでお兄ちゃん、誰の弁当が1番美味しかったのか決まったの? 』


里奈が聞いてくると俺は首を縦に振る、昨日の夜は里奈や夕奈ちゃんにも1人にしてくれと念を押し自分の部屋で真剣に考えた、本来なら俺に美味しい弁当を食べさせたくて作ってくれた4人の弁当に順位などつけられない、しかしうやむやにしてはせっかく俺のキスの為(?)に頑張ったこの4人に対して失礼だしな


『 お兄さんが決めたのなら・・・私達は何も言いません・・・だから私達の事とか気にせず・・・決めて下さい・・・。』


夕奈ちゃんは優しく微笑んで俺に言う、本当に4人の弁当は美味しかった、4人の気持ちに誰が上とかない、ならばもう単純に味で選ぶしかない、俺が一番気に入った味は・・・


『 じゃあ言うよ、4人の気持ちは本当に嬉しかった、そんな4人の心がこもった弁当に順番なんてない、だから俺が一番気に入った味の弁当に選んだから。』


奈津美さんも彩花も真剣な表情になる、意を決した俺はハッキリと言った


『 俺の中じゃ・・・彩花の作った弁当が一番俺の好きな味だった、特にあのエビフライはソースといい衣の揚げ具合といい完璧だったし、この4日間で食べた弁当の中じゃ一番美味しいって思ったよ。』


言ってしまった、でも・・・これが俺の正直な感想なんだから言ったんだ! 適当な嘘でごまかしたりなんてしたら俺はもうこの4人に好かれる資格はない


『 本当なの貴志・・・本当に私の弁当が一番美味しかったの・・・貴志ぃ・・・ありがとおっ!! 』


有無をいわさず彩花が俺に抱きついてきた、俺の体に当たる彩花の胸の感触が気持ちいいのは黙っとこう


『 お兄ちゃあん・・・里奈の弁当じゃダメだったのぉ、何がダメだったのよぉ・・・。』


里奈は泣きだしそうだった、慌てて里奈をなだめる


『 里奈の弁当がダメな訳ないだろう! 里奈の弁当はいつも通りの味だった、もう俺の生活に里奈の弁当は欠かせないよ、奈津美さんや夕奈ちゃんの弁当も本当に素晴らしかった、でも・・・俺には彩花の作った弁当が一番美味しいって思ったんだ、これが俺の正直な答えなんだよ。』


偽りのない気持ちを俺が言い切るとずっと黙っていた奈津美さんが優しい笑顔で話し出した


『 そうですか・・・貴志くんがそう決めたのでしたら私は何も異論はありませんわ、さぞかしお悩みになられたでしょうにそれでも・・・ちゃんと選んで下さった事を私は感謝します。』


『 私も・・・お兄さんがそう決めたのなら・・・今回のキスは諦めます・・・でも・・・お兄さんの事を諦めるのは・・・絶対に・・・ありませんから・・・まだまだ・・・勝負はこれからです・・・。』


奈津美さんも夕奈ちゃんも本当に良い娘だ、こんな娘達に想いを寄せられてる俺はそれだけの魅力がある男なのだろうか・・・


『 そうだよね・・・お兄ちゃんもいっぱい悩んだんだよね、里奈だけがワガママ言ったらお兄ちゃん困らせちゃうんだ、ゴメンね・・・お兄ちゃん♪ 』


奈津美さん達が俺の決断を受け入れたからか涙をこらえながらも何とか受け入れようと笑う健気な里奈の姿がたまらなく愛しかった


『 何言ってんだ里奈、お前は俺の妹なんだぞ! 好きなだけワガママ言えよ、妹が兄貴に遠慮なんてするんじゃねえ! 俺達は2人だけの家族だろっ!! 』


泣くのをこらえてた里奈の目から涙があふれだす、優しく素直で笑顔の眩しい俺だけの可愛い妹、そんな里奈を彩花が抱き寄せた


『 良かったね里奈・・・こんなに優しくて素敵なお兄ちゃんがいつもそばに居てくれて・・・私、里奈が羨ましいよ・・・。』


『 うん・・・ぐすっ、えぐっ・・・彩花さあん・・・あああ〜ん・・・。』


しばらく里奈は彩花に抱きつき泣きじゃくってた、何やら妖しくイケナイ関係に見えなくもないが里奈にとって彩花や奈津美さん、いずみちゃんはお姉さん同然の存在なんだろうな。



泣き止んだ里奈達3人を先に学校に行かせウチには俺と彩花だけが残った、一番美味しかった弁当を作った彩花にはキスという約束だったからな


『 夢みたい・・・、優しくしてね、貴志♪ 』


ヤバい、彩花がもの凄く可愛い、彩花ってこんな可愛いキャラだったか・・・俺も彩花を抱き寄せて


『 彩花・・・目、つぶって・・・。』


『 うん・・・貴志・・・大好き・・・。』


俺と彩花の唇が重なり約5秒ほどそのまま動かなかった、奈津美さんや夕奈ちゃんともしたがやっぱりキスって気持ちいいな。


奈津美さん達に遅れる事約10分、学校に着いたら真っ先に友成から誰の弁当を選んだんだと聞いてくる、あまりにしつこかったので南水鳥拳奥義、飛翔麗を決めた、友成は倒れ際に


『 アオ・・・俺より強く、美しい男よ・・・せめて、その胸の中で・・・。』


変な言い方するな!! お願いだからそのまま倒れて二度と起き上がってくるなよ、学校では彩花も奈津美さんもいつもの彼女達で一安心だった、ウチではウチで里奈や夕奈ちゃんがいつも通り(?)の体操着エプロンで俺を悩殺してくる、弁当対決は彩花の勝利で幕を閉じたが本番はまだ終わっていない、俺って卒業までに誰かを選べるのかな・・・。

彩花にしたのはなんとなくです、夕奈とどっちにしようか迷ったんですけど・・・。

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