第百三十三話
昨日は高校時代からの友人達と女の子がたくさんいる店に行ってました、友人の1人は嫁さんいるのに女の子口説いてるし・・・。
俺は今、学校に登校している、何のことはない普通の光景・・・のはずなんだが
『 今日は里奈が作ったから残しちゃダメだよ、ぜーーったいに里奈がお兄ちゃんとキスするんだからねっ!! 夕奈ちゃんにも彩花さんにも奈津美さんにも負けないんだから! 』
『 あら里奈、私だって負ける気なんてさらさらないわよ、悪いけど貴志の唇は私がもらうからね。』
『 お兄さんのキス・・・誰にも渡しません・・・私、本気ですから・・・。』
『 貴志くん、あまり深く考えないでくださいね、素直な気持ちで選んでくださったらいいのですから、でも私も簡単に負けたりいたしませんわ。』
こんな感じで美少女4人と登校している、奈津美さんも彩花も今や当然の様に俺と登校を共にしてるし、そんな俺を周りの男子生徒は相変わらず羨望と殺意のこもった目で睨んでた
『 おう、リアルギャルゲ男と4人のヒロインじゃねーか、おはよっ。』
『 皆さんおはようございます、いつもながら仲がいいですね、ふふふっ。』
生徒達の中から友成といずみちゃんが出てきた、誰がリアルギャルゲ男だ!
『 おはようございます、真司くん、いずみさん、お二人も一緒に登校なされてるのですか? 』
『 そうなんです、私が起こしに行かないと真兄ったらしょっちゅう寝坊しちゃうんですから! また昨日もかなり遅くまでお父さんと話をしてたらしいんですよっ! まったく・・・起こしに行くこっちの身にもなってほしいです。』
奈津美さんから聞かれいずみちゃんは少々おかんむりのご様子、友成はというと気配を消して目立たない様にしてる、しかし友成だって幼馴染み兼恋人が家まで起こしに来るなんてそっちもリアルギャルゲだと思う
『 で、そんな遅くまでなんの話をしてたんだよトモ、卒業後の進路か? 』
一応聞いてみたのだが友成からの返事は大体予想通りのものだった
『 違うよ、俺の進路はもう決まってるんだ、刑事になるんだからさ、香取刑事みたいに厳しさの中にも暖かさを持つ人情派の刑事にな、昨日親父と話したのはラウ死後存在が無かった事にされてる北四兄弟の三男とあまりの弱さでかえって人気のある南五車星のハルウラこと風のヒュイが戦えばどっちが勝つのかって話だよ。』
・・・息子もそうだが親父さんも変わった人だな、変人が2人も居てお袋さんもさぞかし大変だろうな
『 よくやるわね真司も・・・それより今日は里奈が作ったのよね、明日が私で明後日が夕奈、そして最後が奈津美ね、ねえ貴志、それでいい? 』
彩花が俺への弁当を作る順番を言いながら俺の隣に接近してくる(俺は何も聞いておらずいつの間にか決まってた)しかしいつ見ても彩花の胸は大きいでござる、もうFを通り越しGまでいってるんじゃ・・・
『 お兄さん・・・彩花先輩の胸ばかり見てる・・・私だって・・・小さくはないですから・・・。』
『 なっ! 何言ってんだよ夕奈ちゃん! そんなの見てないって!! 』
夕奈ちゃんに言われ慌てて否定する、しかし彩花は
『 あら貴志、そんなのって言い方はないんじゃない、私の胸ってそんなに魅力ない? もしかして貴志って貧乳のが好きなの。』
小悪魔的な笑顔でからかってくる、だが俺は別に胸の大小で女の子を選ぶ気はない、胸が小さくとも素敵な女性はいくらでもいるのだ
『 そうなんです〜、お兄ちゃんは里奈のBカップで充分満足してるんですから、ねっ、お兄ちゃん♪ 』
また根も葉もないデタラメを・・・ほかの生徒達もドン引きしてるだろうが! 多分彼らは心の中で俺を変態シスコン野郎と呼んでるな、間違いない
『 そうなの! 貴志が貧乳フェチだったなんて、予想外だわ! でも・・・巨乳でないとできないプレイもあるんだからねっ!! 』
『 勝手に人を貧乳フェチにするな! 俺はそーゆーのにこだわりはないぞ、つーか朝の登校時にする話じゃないよな? もっと和やかなトークをしようぜ。』
彩花の妙な勘違いのせいで周りの生徒達はヒソヒソと俺を見てる、どうやら俺にまた新たな称号が加わった様だ、変態シスコンの上に貧乳フェチとか・・・
『 それじゃ青山さんの為に話題を代えますね、今日から皆さんの作ったお弁当を順番に食べるんですよね、確か一番美味しい弁当を作った人にはキスをするとか、ちゃんと選んでくださいね、全員選んで全員とキスなんてなしですよ、でも青山さんなら真兄と違ってそんな事しませんよね。』
いずみちゃんに言われ改めて気づく、全員選ぶとかそんな事はしないがちゃんと1人を選べるのだろうか? そんな不安を抱きながら教室に向かって行った。
――――
そんなこんなでいきなり昼休み、俺の机には里奈の作った弁当がある、それを見た奈津美さんと彩花は
『 まったくいつも通りのお弁当で来ましたわね、里奈さんの自信のほどがよくわかりますわ。』
『 里奈は夕食も作ってるからね、貴志の好みも知り尽くしてて当然よね、やっぱり里奈が一番のライバルなのかな・・・。』
里奈の作った弁当を見て不安げな表情を見せる、里奈の弁当は俺の好きな厚焼き卵にタコ型ウインナー、肉じゃが等本当に普段と変わってなかった、そして味付けもいつも通りとなんだか妙に安心した
『 でもまだ負けたと決まった訳じゃないわよね、明日は私のとびきりの弁当を貴志に食べさせてあげるんだから! 期待しときなさいよねっ!! 』
俺が食べ終えると明日の担当である彩花は力強く宣言する、それを見た友成は
『 さーて、次回のアオヤマさんは・・・友成です、そろそろ秋も近づいてます、休みの日は美味しいおにぎりを持って紅葉狩りにでも行きたいですね、さて次回は"彩花の手作り弁当"の一本です、それじゃあ次回も楽しみにしててくださいね、ジャン・ケン・ポンっ、ふふふっ。』
友成はグーを出し俺はチョキ、負けてしまった、つーかなんで日曜夕方の某国民的アニメの次週予告みたいな言い方をするのだろうか・・・相変わらず友成の言動は常人の理解を超えてるよな、本当に刑事志望なのだろうか?
『 おしおし、ジャンケンに負けたから帰りはアオのおごりでマックにでも行くか、里奈ちゃんや蒼太達も誘って・・・。』
アホな事をぬかす友成に北剛掌波をお見舞いしてやった、そのまま天に召されてほしいな、そしてあと3人か、彩花も夕奈ちゃんも奈津美さんも皆揃って料理が上手いからな、こりゃ相当悩むんだろうな・・・。