表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大切な人達  作者: 曹叡
128/210

第百二十六話

もうすぐ工藤のお話は終わります、次は里奈中心の明るいお話です。

 10人以上いた不良連中は全員叩きのめしたのだが・・・蒼太が工藤の持ってた拳銃で肩を撃たれてしまった、あまりに非日常な光景に俺達は一瞬何が起こったのか分からなかった


『 蒼太ぁ!! 』


『 蒼太くんっ!! 』


俺達はすぐさま蒼太に駆け寄った (ちなみに縛られていた理子は蒼太が不良達をフルボッコにしてる時に友成がロープを解いていた) 蒼太は肩を押さえ端正な顔を苦痛に歪め片膝をついてる、だが慌てる俺達を前にも蒼太は気丈に振る舞う


『 大丈夫・・・ですよ・・・ぐっ・・・肩をかすった・・・だけ・・・ですから・・・。』


そう言っても肩から流れる血は止まらない、早く救急車を呼ぶべきだ、綾子さんがすぐに携帯を取り出し救急車を呼ぼうとするが


パアァン!!


拳銃の発砲音が部屋にこだまする、工藤が俺達から離れた所に発砲したのだ


『 何をするつもりだ綾子、救急車なんて呼ばれたも困るな、でも安心しなよ、僕はこの後警察に自首するつもりさ・・・どうせもう逃げられないからね。』


もう工藤は正気じゃなかった、目が完全に狂人だ、綾子さんも理子も恐怖で体が動かなくなってる様だった


『 工藤・・・なんでそんなモン持ってんだ、高校生が簡単に手に入れられるモンじゃないだろ・・・。』


友成の問いに工藤はニヤリと笑い自慢気に話した


『 僕達の制作したDVDを購入したどこぞのチンピラからくすねたのさ、まさか本物だったとはね。』


そう言った工藤は拳銃をクルクルと回してる、二発の発砲音で倒れていた不良連中も少しずつ起き上がってきた、しかしすっかり怯えてしまっていて見るからに逃げ腰だった


『 恭介・・・そりゃマズイって・・・俺達まだ捕まりたかねえんだよ・・・こんな奴ら無視してとっととフケようぜ。』


不良達は工藤に逃走を進めてる、逃がしたくはないのだが今は蒼太の為に救急車を呼ぶのが優先だ、その後で警察に言って奴らを捕まえてもらえばいいのだから


『 逃げたければ逃げていいよ、もう君達に用はないからね、僕が連れてきた女の子達を襲う役をしてもらう為に友達面してたけどその必要もなくなったし、早く行きなよ。』


工藤はあっさりと不良連中を見限った、不良連中もあっさり部屋から出て行く、蒼太に立てなくなるまでボコられた奴らも他の奴らに抱きかかえられ出て行った、そうやって不良連中は1人も居なくなった


『 さあて・・・今から何をしようかな・・・後数時間後には僕は刑務所だからね・・・何か面白い事ないかな青山君? 』


拳銃を持ちながらおどけた感じで俺にそんな事を聞いてくる工藤、その開き直った態度に俺はこう答えた


『 じゃあ話でもしようか、なんでこんな事をしようと思ったんだ? どうして理子や綾子さんまで巻き込もうとした! 』


『 お金が欲しかったんだよ、新型のクスリは中々な値段でね・・・売人もお金にはしっかりしてて固い奴なんだ、自分でバイトするのも面倒だし家の金を使えば親にバレるしそこで綾子に適当な理由を言って働かせたのさ、綾子は昔から僕の言う事は疑わなかったからうってつけだったよ、でも綾子もいっぱしの美少女だからね、その体で稼げると思ったのさ。』


クスリって・・・こいつそんなのにまで手を出してたのか!? 残念だがこいつはもう平穏な日常には戻れないな、何でこうなったのか


『 ハア・・・ハア・・・アンタ・・・綾子さんを・・・綾子さんの一途な心を・・・何だと思ってるんだ!! 彼女は・・・アンタを・・・ハア・・・信じて・・・昔のアンタを・・・取り戻そうと・・・何で分からないんですか!! 』


蒼太が苦痛をこらえ工藤に怒りをぶつける、綾子さんには可哀相だがもう昔の工藤に戻すのは無理だろう


『 じゃあ前田は何でだよ、付き合ってたんだろお前達、恋人にこんな事して恥ずかしくねーのか!! 』


蒼太の次は友成だ、理子の事を工藤はどう思ってたのか? 俺から寝取ったんだからそれなりの好意はあったんじゃないのか


『 理子は最近青山君達を羨ましそうに見る事が多かったんだ、だから淫乱な理子に似合いの仕事をさせようと思ってね、それにしてもせっかく青山君に絶望を与えようとして理子を寝取ったのに青山君はほとんど傷つく事はなかった、高野さんや四森さん、一年のポニーテールの子に実の妹までもがいつも青山君の近くにいたからね、あれなら理子を寝取られてもダメージなんてない訳だよ、理子はせっかく妊娠しても僕が望まないなら始末するしかなかったんだから。』


理子は妊娠もしてたのか・・・それにしても始末とかないだろう、命を何だと思ってるんだこいつは


『 酷すぎます恭介先輩! 前田さんに謝ってください! 女の子にそんな事・・・許せないですよ! 』


『 綾子さんの言う通りだ! 2人の女の子を弄びその想いを踏みにじった事を土下座で謝罪しろ!! 』


『 綾子さん、友くん・・・いいの、もういいの、私がバカだったのよ、性欲に溺れて青ちゃんを裏切った私に神様が罰を与えたのよ、でも恭介、これだけは覚えておいて、私は本当に恭介を好きだった時があった事を・・・。』


理子も綾子さんも辛い記憶になったな、早くこんな男の事なんて忘れて幸せになって欲しいと切に願う、さて・・・そろそろ工藤に自分の行為の愚かさを思い知らせてやるとするかな。

次回の更新は恐らく火曜日の午前零時になります、多分・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ