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大切な人達  作者: 曹叡
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第百十八話

風邪ひいちゃいました、三連休どうなる事やら、今回は貴志視点です。

 綾子さんが家を出た後に行方不明になってしまった、恐らく工藤達に捕まったのだろう、やはり朝から一緒に居ればよかったな


『 まったく・・・どうして分かんないかな、まだ工藤なんかを信じてるのかよあの子は!! 幼なじみかなんか知らんが自分の事を売ろうとしてる男に簡単について行くなよな! 』


走りながら友成は憤慨してる、自分からついていったのか無理やり連れ去られたのか知らないが綾子さんは工藤を慕ってる、幼なじみだしなんとか思いとどまらせようとしたのだろうか


『 もし綾子さんに何かしやがったら工藤の奴・・・警察に突き出す前に半殺しにしてやる!! 』


『 警察官になろうって奴がそんな物騒な事言うなよ、とにかく急ごう! 』


綾子さんの通う女子校を出た俺と友成は本気で走った、10分くらい走ると工藤の家に着いた、インターホンを鳴らすと工藤の母親とおぼしき女の人が出てくる、初めて会うけど派手な感じの女性だな、理子の話では有名なデザイナーらしいが俺はそーゆーのに疎いから知らないのだ


『 あら、あなた・・・朝も来たわよね、恭介ならまだ帰ってないわよ、近頃よく恭介に会いにくるけど恭介に何の用かしら? 』


工藤の母親は友成に訝しげに聞いてくる、何の用と言われても本当の事を母親に言えるわけがない


『 工藤くんと連絡が取れないんですよ、昨日から学校にも来てないし携帯に電話しても出ないし綾子さんも心配してました、お母さんから工藤くんに電話してみてもらえませんか? 』


友成はとっさに理由を作って母親から工藤に連絡をさせようとした、なるほど、母親からの電話ならさすがに工藤も出るだろうしな


『 朝にメールが来たんだし問題ないわよ、そのうち帰ってくるでしょ。』


『 自分の息子が2日も家に帰ってこないんですよ、あなた母親でしょう、心配にならないんですか!! 』


あまりな母親の無関心さについ声を荒げてしまった、工藤も親に恵まれてないみたいだな、だからって別に同情とかしないけど


『 なんなのあなたは・・・、だいたいあなた高校生でしょ! そんな頭してる様な子から偉そうに言われる筋合いはないわっ!! 』


まあ一理あるよな、金髪の俺がこんな事を言っても説得力はない、大人しく引き下がった俺に変わり友成が母親に食い下がる


『 とにかく工藤くんに電話してみて下さい! もしかしたら工藤くん、おかしな事に巻き込まれちゃうかもしれないんです。』


友成も懸命だ、こんなデタラメまで言って母親に電話させようとしてる、しかし普通の母親なら俺達に言われるまでもなく2日も家に帰ってこない息子を心配して電話するのは当たり前だと思うけどな


『 あの子も小さい子供じゃないんだから自分の事は自分でなんとかするでしょ、私は息子のプライベートに口を出さない主義なの、悪いけど帰ってもらえないかしら、急ぎの仕事が立て込んでるのよ、早く終わらせなきゃ発注が間に合わないの。』


息子より仕事が大事ってか、工藤が工藤なら母親も母親だな、父親もこんな感じの人なのか、お金は持ってても心は貧しい家庭だよ


『 わかりました・・・もう二度と来ません、それじゃあ失礼します!! 』


友成は吐き捨てる様に言うと工藤の家から出た、俺もそれについて行く、工藤の家を出て行き場を無くした俺達は綾子さんがどうなってるか気が気でなかった。


チャラララ〜、俺の携帯が鳴った、蒼太からだ、どうしたのかな


『 もしもし、どうした蒼太、なんかあったか? 』


『 青山先輩ですか、今から綾子さんと一緒に工藤先輩と会うんです、なんとか説得してみようかと思って、今学校の近くのファミレスに居るんですよ。』


『 マジか!! お前今綾子さんと一緒なのか!? どうしてお前・・・いやっ!! 俺達も今からソッチに行くから待ってろ!! 』


蒼太が綾子さんと一緒に居る、しかも工藤と会うとか、友成に今の電話の内容を教えた俺達はまた全速力で駆け出した・・・。

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