第百十話
貴志視点で進みます、閑話休題みたいな感じです。
やっと家に帰れた、綾子さんはちゃんと家に送ったし理子は友成から電話があって見つかったとの事、今は理子も自分の家にいるらしい、これでひとまず今日は安心なのだが明日はどうしようか? だいたい工藤は何処に行ったんだ、友成によると工藤の家には誰も帰ってこなかったそうな、どこかで明日の準備でもしてるのだろうか
『 お兄ちゃ〜ん、さっきから何難しい顔してるの〜、一緒に遊ぼうよー。』
『 お兄さん・・・工藤さん達の事・・・考えてるんですね・・・。』
家に帰った俺を待ってたのはいつも通りに里奈と夕奈ちゃんだ、2人はソファーに座ってる俺の両隣に座り腕にしがみついてくる、わざわざ胸を押し当てる様にして、しかしもうこのくらいじゃ俺も動じなくなってきた、気づかぬうちに耐性がついたみたいだ
『 ん、まあ夕奈ちゃんが心配する事じゃないから、それより今日はウチで晩飯食ってくんだろ? 』
『 はい・・・里奈と一緒に・・・大好きなお兄さんの為に・・・一生懸命作りますから・・・。』
そう言って俺を見る夕奈ちゃんはちょっと我を失ってしまいそうに可愛かった、もしも里奈がここに居なかったら思わず手を出してしまったかもしれない
『 今日はエビフライとクリームコロッケとポテトサラダだよ、今から作るからテレビでも見てて待っててねお兄ちゃん♪ 』
里奈も反則級に可愛らしい笑顔を俺に向ける、その後お気に入りのミニスカートにエプロンを着ける里奈とセーラー服の上に里奈から借りたエプロンを着ける夕奈ちゃん、美少女2人の萌えるエプロン姿とはなんという目の保養であろうか、お兄ちゃんに生まれて良かった、お兄ちゃん万歳!
2人は慣れた手付きで料理を作り上げていく、もうすぐ完成だろう、そんな折に里奈が俺の方を振り向き
『 ねーねー、お兄ちゃんが見たいなら今度は裸エプロンしてあげよっか、男の人ってそういうの好きなんだよね、見たかったらいつでも言ってね、里奈はいつでもオーケーだよ♪ 』
・・・いきなり何を意味不明な事を言いやがる! 誰が妹の裸エプロンなど好き好んで・・・見たい気がする俺は異常なのか? 変態街道まっしぐらだな
『 私だって・・・お兄さんが喜んでくれるなら・・・どんな格好でも・・・しますから・・・遠慮しないで・・・何でも言って下さいね・・・。』
『 ははは・・・、夕奈ちゃん、気持ちは嬉しいけどもう少し自分を大事にしような、男においそれとそんな事言っちゃ駄目だよ。』
顔を赤くしてとんでもない事を言う夕奈ちゃんを穏便に諭す、日に日に夕奈ちゃんの言動は大胆になってるな、いや、夕奈ちゃんに限らず奈津美さんや彩花もそうだけど・・・
『 出来たよお兄ちゃ〜ん♪ 今日はいつもより気合い入れたんだからー。』
里奈と夕奈ちゃんが料理を運んできて三人で晩飯を頂く、料理はやはり旨かった、特にエビフライにかかってるソースが絶品だ、夕奈ちゃんが作ったらしい、もちろんクリームコロッケもポテトサラダもみそ汁も文句なしの出来映えだ
『 おかわりっ! 』
『 ふふっ、お兄ちゃんったら、もう三杯目だねー、そんなに美味しいんだ、嬉しいな♪ 』
『 私も嬉しい・・・お兄さんがこんなに食べてくれて・・・作って良かったです・・・。』
結局ご飯を四杯平らげ2人が作ったおかずは残さず食べ尽くした、片付けも済ませて夕奈ちゃんを送って帰る事にする
『 大丈夫です・・・1人で帰れますから・・・。』
『 いくら近くてももう真っ暗だからそんな訳にはいかないよ、万が一夕奈ちゃんに何かあったら俺は一生後悔しちまうよ。』
夕奈ちゃんの家はウチから五分だが工藤達の一件のせいか送って帰らないとどうにもスッキリ出来なかった、夕奈ちゃんを家まで送ってさあ帰ろうとした時、夕奈ちゃんから
『 お兄さん・・・今日は私の作った料理を・・・たくさん食べてくれて・・・嬉しかったです・・・何か・・・お礼がしたいんですけど・・・。』
『 お礼なんていいよ、本当に夕奈ちゃんや里奈の作った料理が美味しかったんだからさ。』
そう返すと夕奈ちゃんは俺に近づいてきた、そして
『 お兄さん・・・大好きです・・・。』
チュッ
なんとキスされてしまった! いきなりの不意打ちに俺はしばらく固まってしまってた・・・。