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大切な人達  作者: 曹叡
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第十一話

第十一話です。

( お兄ちゃん、受かってたよー、これで春からから同じ高校だね。)


( 合格でした、春から楽しみです、お兄さん。)


買い物の最中、里奈と夕奈ちゃんからメールが届いた、今日は東明高校の合格発表日、少し心配だったが里奈も夕奈ちゃんも見事合格していた、俺も2人におめでとうとメールを返す


『 なんだアオ、誰にメールしてんだ、ああ、愛しのマイシスターか。』


共に買い物に来ていた友成が声を掛けてくる、そして当然の様に俺達と一緒にいる高野さんも俺に


『 確か今日でしたわね、合格発表は、あの2人ならまず合格でしょうけど。』


『 うん、2人とも合格だったよ、里奈も夕奈ちゃんも春から俺達とおんなじ東明高校の生徒さ。』


『 そっか、よかったなアオ、これで春から兄妹仲良くラブラブ登校か、たまには俺も混ぜてくれよな。』


『 まあっ、おめでとうございます、私も春から可愛らしい後輩が2人も出来て嬉しいですわ♪ 』


友成も高野さんも喜んでくれる、今日の買い物は高熱で寝込んでるいずみちゃんに何か助けになる物でもというものだった、当初は俺と友成だけだったのだが高野さんから今何をしてますのと電話があり街に買い物に来てると言うと私もご一緒しますというワケだ。


あのカラオケとかで遊んだ日曜以来、俺達3人は理子とは全く会話をしてない、そんなだからクラスでは俺と理子は別れたという噂が流れた、男子の何人かは俺に聞きにきたがもう別れたとあっさり言うとその話題も自然消滅した。


ところが新たな噂ができた、高野さんとの関係だ、学校のアイドルが俺や友成と常に行動を共にしてるという事は理子を除くクラス中の興味をわかせた、この件については男子連中がこぞって俺や友成に高野さんとはどんな関係なんだと聞いてくる、仲のいい友達と言ってもあまり納得してる様子ではなかったが。


当の高野さんはそんな噂など意に介さないといった感じで俺たちと行動を共にする、そんな彼女は噂について俺にこう言った


『 他人がどう言おうが関係ございません、だって私は青山君や友成君と一緒にいる時間が何よりも楽しいんですもの、私は自分に素直に生きたいんです、それだけの事ですわ。』


彼女は変わらぬ笑顔だったが目は本気だった、彼女がこう言ってるんだしそれでいいだろう、俺ももう噂とか気にしない事にした。





『 もう三年生ですわね、早いものですわ、2人は進学するのですか? 』


『 俺は大学行かないよ、金もないし勉強出来ないし、だったら早く社会に出てお金貯めなきゃって思ってるんだ、里奈がもし大学とか行きたいって言った時に金がないと困るしな。』


『 さすがシスコンの見本だなアオ、まあ体力あって手先が器用なお前ならそっちのがいいかもな。』


『 そういう友成君は進学なさらないのですか。』


『 親父の会社を継ぐって選択もあったんだけどね、やっぱ俺は刑事になりたいんだ、この世から一つでも不幸な事件を減らして一つでも多くの笑顔をってな、まあそんなトコだよ。』


実は友成の父親はいくつかの会社を経営してるのだ、まあ凄い豪邸に住んでるとかじゃないんだがそれでも一般よりはいい家に住んでる、それにしても家業を継ぐという安定した進路を蹴ってまで刑事になりたいとは友成も大した奴だ


『 素敵じゃないですか、私や青山君は応援致します、頑張って下さいね。』


いずみちゃんを見舞った帰り、俺達は進路の事を話していた、俺は就職、友成は警察官、高野さんは確か保育士になりたいとか言ってた、あと一年か・・・それで高校を卒業してそれぞれの進路を進む、寂しいがそれは終わりじゃなく始まり、だからあと一年の高校生活、皆と目一杯楽しもう、それがいつも俺に優しくしてくれる高野さんへの恩返しなのかもしれないな。





家に帰れば聞き慣れた元気な声が聞こえてくる


『 おかえりなさーい、待ってたんだよ、お兄ちゃん、早く早くっ。』


もう慣れた里奈と夕奈ちゃんの出迎え、2人共合格した嬉しさを隠せない様だ


『 ただいま、里奈、夕奈ちゃん、2人共合格おめでとう、よく頑張ったよ。』


『 ありがとうございます・・・お兄さん・・・、春から・・・よろしくお願いしますね・・・。』


『 里奈も忘れちゃダメだよお兄ちゃん、さっ、早くテーブルに来て♪ 』


言われるままにテーブルに向かうとそこにはすき焼きの準備がしてあった


『 里奈と夕奈ちゃんの合格祝いだよ、お兄ちゃんすき焼き好きだもんね、お肉も野菜もいっぱいあるから3人で食べようね。』


自分たちで準備して祝いはどうかと思うがまあいいや、すき焼き好きだし


『 あっ、そうだ夕奈ちゃん、ここで夕飯食べる事を家に連絡しといた方がいいんじゃないかな。』


『 大丈夫です・・・もうお母さんに電話してますから・・・食べましょう・・・お兄さん・・・。』


なら安心だな、俺は久しぶりのすき焼きをせっせっと口に放り込む、やっぱり寒い夜の鍋物はいいね


『 ねえ、お兄ちゃん、春休みに入ったら里奈たち3人で制服の採寸に行きたいなあ、いいでしょ。』


『 なぜに俺も一緒なんだ、2人でいいだろう。』


『 いろいろ買い物もあるし、女の子2人じゃ荷物持てないもん、それに里奈達の制服姿見たいでしょ♪ お兄ちゃんに一番最初に見せたげるんだから。』


『 私も3人で行きたいです・・・、お兄さんに・・・いてほしいです・・・お願いします・・・。』


そんなに言われちゃ断れない、基本俺はこの2人に甘い、だから友成にシスコンと言われるのだろうけど


『 いいよ、じゃあ2人の都合のいい日でいいから、俺も一緒に行くよ。』


そう言った途端の2人の笑顔が眩しかった、確かにこの2人の初々しい制服姿を見てみたいと思ってるシスコンな俺がいた。

展開遅くてすいません。

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