第百六話
なんとか更新出来ました、また貴志視点に戻ります、読みにくくてスミマセン。
今日の授業も終わり放課後、工藤達の事を綾子さんに教えようとお好み焼き屋に行こうとするが友成から
『 俺はもう一回工藤の家に行ってみるよ、母親が居るかもしれないし何か分かるかもしれないだろ。』
それだけ言うと友成は足早に教室から出て行った、入れ替わりに教室に来たのは
『 お兄ちゃ〜ん、迎えに来ちゃった♪ 久しぶりに一緒に帰ろうよー。』
『 お兄さん・・・私も・・・お兄さんと一緒に帰りたいです・・・。』
里奈と夕奈ちゃんだった、初々しい一年の美少女2人がいきなり教室にやってきてクラスメートの男子達はにわかに騒ぎ出す
『 この子って青山くんの妹なのか? 良かったら俺に紹介してくれよ! 』
『 いやっ、俺だ!! 』
『 じゃあそっちのポニーテールの子は俺だな。』
それぞれ好き勝手な事言ってるな、誰が大切な2人をこの軽薄連中に紹介なんてするか!! 寝言は寝て言え、はっきり断ろうとしたら
『 皆さんには残念ですけどこのお二人にはもう心に決めた人がいるんです、あまり彼女達を困らせる様な事は言わないで下さい。』
『 そういう事よ、この2人は私の妹みたいな子なの、ライバルでもあるけど・・・、軽い気持ちでこの2人に言い寄るのは私が許さないからね! 』
せっかくカッコ良く決めようとしたのに俺の見せ場を奪ったのは奈津美さんと彩花だった、後ろには理子も居る、マズいな、俺が理子と一緒に居ると里奈は人が変わったみたいになる、里奈は理子に気づくと案の定噛みつく
『 どうしてアンタが奈津美さんや彩花さんと一緒に居るの・・・、早くどっか行ってよ、今から私達5人で帰るんだから! 』
やはり里奈は明らかに不機嫌になってる、夕奈ちゃんは不機嫌でも笑顔でもなくただ黙ってジッと俺を見てる、どうしようか、今は理子を1人にさせたくない、もしかして帰る途中とかに工藤達に捕まるかもしれないからな
『 お兄さん・・・私達に・・・何か隠してますよね・・・、朝の時も何かおかしかったから・・・何かあるなら私達にも話してください・・・。』
夕奈ちゃんが重い空気の中で静かに話しだす、見抜かれてたのか、口数は少ないけどどこか鋭いトコのある子だよな
『 何!? お兄ちゃんって里奈達に隠してる事があるの! そんなのダメだよっ!! ちゃんと里奈達にも話してよ。』
こうなると観念するしかないな、とりあえず理子も加えた六人で教室から出た。
体育館の裏手に来た俺達は理子が俺達と一緒にいる理由、すなわち工藤達の事を話すと夕奈ちゃんは少なからずショックを受けた様だ、そりゃそうだろ、女の子が聞いて楽しい内容じゃないからな、しかし里奈は
『 そうなんだ・・・、やっぱり工藤ってどうしようもないクズだね、でもどうしてお兄ちゃんや友さん達がアンタを守らなきゃいけないの!? お兄ちゃん達には関係ない事じゃない! そんな危ない事にお兄ちゃん達を巻き込まないでっ!! 』
どうしても理子を守るのには反対の様だ、俺の心配をしてくれるのは有り難いけどだからといって理子や綾子さんを見捨てる事はできない、その旨を里奈に話すと里奈は目に涙を貯めながら俺に言い返す
『 なんでお兄ちゃんがこの女の為に危ない事をしなくちゃいけないの!? この女はお兄ちゃんを裏切ったんだよ、お兄ちゃんの気持ちを土足で踏みにじったんだよ!! 工藤や不良達に襲われたってそんなの自業自得じゃない! お兄ちゃんを傷つけた報いだよ!! 』
報いにしても酷すぎるだろ・・・、確かに理子は俺を裏切ったけどそれは綾子さんには関係ない、すこし厳しく里奈に言い聞かせる
『 里奈っ!! いい加減にしろよ! 俺の心配をしてくれるのは嬉しいけどこれが俺って人間なんだよ、お人好しかもしれないけど危険な目に遭いそうな人を見捨てるのは俺には出来ないんだ! 大丈夫、工藤達の話の証拠さえ掴めば後は警察に任せるから。』
『 里奈さん、ここは貴志くんを信じてあげてください、こんなお兄さんだからこそ里奈さんも好きになったのでしょう。』
『 そうよ里奈、私は別に前田とか綾子って人の事はどうでもいいの、貴志がやりたい事の役にたちたいだけなんだからさ。』
奈津美さんも彩花も俺に同意してくれてる、彩花は少しアレだけど・・・
『 お兄さん・・・前田先輩が居ません・・・。』
えっ!? 夕奈ちゃんに言われて初めて気づいた、さっきまで居たはずの理子がいつの間にか居なくなってる、話に夢中で気づかなかったか、やばい! 早く見つけなきゃ・・・。
少し里奈がイヤな女になってるかもしれませんね。