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大切な人達  作者: 曹叡
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第百三話

まだ当分は忙しいです、日曜日まで仕事させるとは・・・。

 学校に着いて教室に入ると先に来てた理子はすぐに俺に先程の話の事を聞いてきた、少し怒った感じで


『 青ちゃん! 明日がどうしたの、恭介と何を話すのよ! 早く教えて!! 』


・・・あまり教室で話せる内容じゃないな、それにまだ工藤と理子の事だという確実な証拠もないし、適当にごまかすか、そう思ってたら友成が教室に入ってきた、友成は俺達に近づき理子に話しかける


『 前田、今から少しだけ俺に付き合ってくれるか? 大事な話があるんだ。』


『 えっ、別にいいけど・・・、急にどうしたの友くん、大事な話って何? 』


友成が理子に話とか珍しいな、そして友成は続けて俺にも話しかける


『 青も一緒に来てくれ、お前にも聞いてもらいたい話なんだ。』


俺も? 何だろ、友成が俺と理子に何を話す事があるんだ、気になるので友成と理子と共に教室を出て人のいない理科室に向かった。


    ――――


『 ・・・嘘でしょ・・・、そんなのって、何言ってんのよ友くん・・・。』


理子は絶句している、俺も驚きを隠せなかった、友成が話した内容は工藤が理子と例のお好み焼き屋の店員さん ( 綾子さんという名らしい ) の体をタチの悪い不良グループに売りとばそうとしてるという悪魔の様な所業だった、つくづく救えない男だなあいつは・・・、でもなんで友成がこんな話を知ってるんだ?


『 残念だけど嘘じゃないんだ・・・、もう工藤とは別れろよ、そんな奴といても不幸になるだけだ。』


『 それって本当なのか友!? いやっ、なんでお前がそんなの知ってるんだ、話してくれよ。』


友成が言うには以前に悪者に絡まれてる事を蒼太と助けた事があった綾子さんが工藤の尻拭いの為に働かされてるという話を聞いて生来のお節介気質から工藤の周りを調べていく内にその事実にいきついたとの事、なんか本当に刑事みたいな事してたんだな、しかし何故友成はこの話を俺にも聞かせたいんだ・・・


『 青ちゃんも知ってたんだね・・・、話ってこの事だったんでしょ。』


『 なにっ、青も知ってたのか? どうして・・・、いやっ! だったら話は早いな、頼む青、力を貸してくれ! 前田と綾子さんを工藤達から守るにはお前の力が必要なんだよ!! 』


なるほど、不良グループが絡んでるから腕っ節の強い俺にも協力してほしいんだろう、もちろん異論はない、罪のない2人の女の子を男の身勝手な欲望の捌け口に利用されてたまるか!!


『 いいぜ友、俺の力が役立つならいつでも協力してやるよ、俺もそんなの到底許せないからな。』


ガララッ、俺が言い終える前に理子が理科室のドアを開け駆け出していく、急いで後を追った俺達は廊下で理子を捕まえた


『 離してっ!! 今から恭介の家に行くんだからっ! 恭介の口から本当の事を聞きたいの!! 』


『 家って、工藤は今日学校に来てないのか? 』友成に説明してるとチャイムが鳴る、朝のHRが始まったのだ、そんな中友成が


『 それじゃ今から工藤の家に行こう! 今ならまだ家に居るだろうからな。』


サボるのか・・・、彩花に担任には適当にごまかしてくれとメールを入れて俺達は工藤の家に向かった。


工藤の家に来たものの家には誰も居ないのか鍵がかかっていた、それにしても立派な家だな、工藤って金持ちのボンボンだったのか? 理子に聞いてみると


『 お父さんは大きな病院のお偉いさんって言ってたわ、お母さんも有名なデザイナーらしいの・・・。』


そんな家庭で育ってあんな人間になったのか? 環境で人は変わるというけどな


『 どうする青、もうここに居てもしょうがないだろう、学校に戻るか? 』


『 綾子さんの家とか分からないのか? 彼女も狙われてるんだろ。』


『 残念ながら家も連絡先も知らないんだ、お好み焼き屋もこんな時間じゃまだ開いてないしな。』


それじゃどうしようもないな、一回学校に戻るか


『 2人共なんでここまでしてくれるの・・・、私は青ちゃんを裏切った女だよ、どうして・・・。』


それまで殆ど喋る事のなかった理子が静かに口を開く、もう泣きかけてるし


『 それはもう済んだ事だろ、女の子が危険な目に遭いそうな話を聞いて黙って見過ごすほど薄情じゃないぞ俺達は、なあ友。』


『 そういう事、香取刑事だって被害者や容疑者が若くて美人な女性なら率先して捜査してたからな、それと同じ事だよ。』


それは香取刑事に失礼だろ友成! 確かに少し前の俺なら理子とかどうなろうと知ったこっちゃないと無視してただろう、でも理子も苦しんだり悩んだりしてたのを最近になって分かった様な気がする、奈津美さんとの遊園地デートの時や里奈とのデートで会った時に・・・、少し情がわいただけかもしれないが単純に守ってやりたいのだ


『 ありがとね青ちゃん、友くんも・・・、私っ・・・私っ、うっ、うっ・・・わぁぁ〜ん。』


とうとう理子は泣き崩れてしまった、仕方ないか、信じてた工藤にあんな裏切り方されちゃあな、俺と友成は何も言わず理子が泣き止むまでずっと待っていた・・・。

知らない人は真司の言う香取刑事についてはスルーしてください。

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