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大切な人達  作者: 曹叡
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第十話

『 あれっ、みんな揃ってどっか行くの? 随分と賑やかだねー。』


理子は工藤から離れ俺達に近づいてくる、そんな理子にいずみちゃんが


『 皆さんとカラオケに行くんですけど。』


素っ気なく返す、この様子からいずみちゃんも友成から理子がどの様に俺から離れたか聞いたんだろうな


『 そうなんだ、いーなー、そっちも楽しそうで、ねっ、恭介。』


『 フン・・・しかし青山君も節操がないな、理子と別れて一週間もしない内にもう違う女の子と遊ぶなんてね・・・。』


工藤が見下してる様な表情で俺に言うと理子が


『 まあいいじゃない恭介、だいたい私だって青ちゃんと付き合ってた時から恭介とも付き合う事になったんだから、青ちゃんの事どうこう言えないわよ。』


悪びれずに言う理子に高野さん達女性陣は軽蔑の視線を向けてた、全くこの女は・・・そりゃ確かに俺より工藤の方がどう見てもイケメンだし大抵の女の子なら俺と工藤だと工藤を選ぶだろう、でもここで俺が落ち込んだりしたら里奈達を心配させてしまう、それはよろしくない、ここはこの場を離れるに限る、そう決めて歩きだそうとしたら高野さんが理子と工藤に


『 そうですか、どうぞお幸せに、別にあなた方が付き合おうが青山君や私達には一切関係ありません、そんな事より私達は今からカラオケに行くんです、あなた方に関わる無駄な時間なんて一秒もありませんのでこれで失礼します。』


普段の高野さんからはとても想像できない冷たい口調に理子は驚きながらも高野さんに詰め寄る


『 ちょっと奈津美、何言ってんのよ・・・なんでそんな言い方するの? そりゃ青ちゃんには悪い事したかもしれないけど関係ない奈津美にそんな言い方される筋合いはないわ! 』


『 あら、気分を悪くなされたのかしら? 自分が青山君にした行為は棚に上げて・・・まあとりあえず謝っておきますわ、どうも失礼いたしました、それじゃ私達はこれで、いきましょう、青山君。』


高野さんは理子を小馬鹿にした感じであしらうとまるで理子に見せつけるかの様に俺と腕を組む、するとすかさず里奈が


『 あっ! 奈津美さんズルいですっ! だったら里奈もお兄ちゃんと腕を組むんですから〜。』


街中で堂々と恥ずかしい台詞をのたまい空いてる方の俺の腕を取る、その様子を見てた友成も


『 羨ましいなアオ、両手に花とは今のお前の事だな、そうだ夕奈ちゃん、夕奈ちゃんも俺といずみの3人でああして歩かない? 』


『 えっ・・・友成さん・・・私、そんな・・・。』


そう言った直後にいずみちゃんからまた耳を引っ張られた、懲りない奴だな


『 あーら真兄、夕奈ちゃんと腕を組んで歩きたいの? あんまりおイタが過ぎるとまたあのお仕置きをしちゃおうかしら♪ 』


いずみちゃんが友成の耳を引っ張りながら怖い笑顔で話す、お仕置きという単語が出た途端に友成は


『 いずみ様っ! それだけはホントご勘弁を!! もう二度とバカな事は申しませんのであのお仕置きだけは許して下さいっ!! 』


恥も外聞もなくいずみちゃんに許しを請う、この2人が結婚したら多分嫁さん上位な夫婦になるな


『 いこう理子、理子はもう僕の彼女なんだ、そんな負け組の集まりにかまうと僕らも負け組になるぞ。』


それまで一言も喋らなかった工藤が理子を促し歩き出した、理子も工藤についていく、高野さんや俺を睨みつけながら・・・


『 青山君、あんなの気にしないで下さいね、あんなバカ達なんて相手にする価値もございませんもの、私ももうあんな女とは友人の縁を切りましたわ、それより早く行きましょう、嫌な事は思う存分に歌って忘れるのがいいですわ。』


工藤と理子が離れた後、そう言って天使の笑みを向ける高野さん、中学時代からの親友だった理子よりも俺達といる事を選んだ彼女に俺はどうやって報いてやれるのだろうか・・・カラオケに向かう道中、俺はそればかり考えていた。

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