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第3部 おまけ2  ベルフラワー・プラチアーナの回想録と・・・愚痴

少し前に、勇者パーティからベルフラワー・プラチアーナ男爵が離脱した。


表向きは、拝領した領地の経営をするためである。


ベルフラワー・プラチアーナ男爵が得意とする属性は土属性の魔法であり、植物や作物を育てるのに相性がよい。


勇者パーティの食糧事情を解決するために、話合いをした結果、ベルフラワー・プラチアーナ男爵の離脱と領地経営が決まったのである。


その決定に対してベルフラワー・プラチアーナ男爵当人は、多少残念がっていた。


なぜなら実戦で魔法を使用する機会がなくなるから。


だが、本人も勇者のために領地経営をするという必要性を理解しており最終的には受け入れた。


パーティ内で、ベルフラワー・プラチアーナからのお別れのあいさつをするときのこと。


「本当にお世話になりましたわ。だけど私の冒険はここまで。・・・・・・・名残惜しいですけれど勇者パーティのお荷物となっている自覚はありましたの」


「面とむかって無能だから出て行けと言われるぐらいなら食糧事情を解決するために領地経営をすると言う理由で離脱するほうがよっぽどマシ。きっと勇者さまがそのように取り計らってくれたのよね」


ベルフラワー・プラチアーナは申し訳なさそうな表情をしている。


「そ、そんなお荷物だなんて!」


あわててラベンダーは否定しようとしたが、ベルフラワー・プラチアーナはそれをさえぎり


「あーあーいいのいいの。わかっているから。私とポジションがかぶっていたキースが、魔法使いとして力がついてきたことは当然気づいているわよ」


「そして私のレベルが以前からずっと上がっていないということもね」


そう言うベルフラワーはすこし涙目になっている。


「私の得意魔法も勇者さまやミモザさまが使えるようになっていったし・・・」


私が無理してパーティにいる意味はないわね・・・・・・


という言葉は口に出せなかった。


みじめになるだけ。それはラベンダーもわかっていたようだ。


「だからあまり気にしないでね。農業や畜産を中心にせめて新鮮な食材を提供できるようにがんばるから」


ベルフラワー・プラチアーナはすこし笑顔を意識して作り勇者ラベンダーに言った。


これ以上みじめな思いはしたくない。


「うん・・・・・わかったわ。きっと魔王を討伐するから。そうしたら、また友人として会ってね」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


(ここからはわたしの愚痴よ。黙って聞きなさい)


ラベンダーはいつだって優しかったわ。


そして嫉妬するぐらい優秀。


魔力も性格も。そして女としての容姿も。


私ベルフラワー・プラチアーナは去っていく勇者たちの姿を見ながらさびしさを感じつつ、これで比較されずに済むという安堵の両方の感情をもっていた。


ラベンダーとの旅は、正直言って快適だった。


リーダーのラベンダーがみんなが困らないように常に気を配っていたから。


魔物が現れてもラベンダーが適切な指示をくだし、その判断が間違ったことは一度も無かった。


しかし、行く先々の町や村で歓迎されるとき、いつもラベンダーだけが注目された。


勇者としてでなく、女性として。


さりげない気遣いもできるし、前へ出ることを避けミモザやサンドベージュ、キースら男性を自然にたてる。


そのうえ、会話も受け応えが上手。


容姿もはかなげで庇護欲をそそるタイプだ。


私が男だったら彼女にしているわね!!


はあ、あのパーティ、ガサツな私には苦痛だったわ。


ラベンダーもそうだけど、聖女ケイトさんもとても女らしくていやんなっちゃう。


ちょっと、聞いてよ。


聖女ケイトさんは聖女なので男からそのような目でみられることはないけど、私はずっとラベンダーと女性として比較され続け、ダメ出しされてきたわ。


男どもに言わせると私の容姿は下の上なんだとか。


ばっかじゃないの!!


くすんだ色の髪で顔はまあまあ整っているが、瞳がダークブラウンでいまいちらしい。


スタイル?


そんなことレディに聞くことじゃないでしょ!!


まあ私からみてもラベンダーに負けてると思うけどさ。


だってあの人、鎧の上からでもわかるほどボン・キュッ・ボンよ! 


いや、ボボン・キューッ・ボンかしらね。


フーッ。まあいいわ。


女の嫉妬みたいなことをしたくないから愚痴はここまでにしとく。


私はテーブルの上にある酒の入ったコップを飲み干す。


プハー。


これからは領主として領民とともに領地を発展させていくことを考えなきゃね。


だから愚痴はここまで。今聞いたことは忘れてよね。


間違っても私が言ってたなんて言いふらしたら許さないんだからね!!


ところで、私が領地としてもらった土地は比較的平野部がおおく、作物をつくるには適した地だった。


こんな小娘でも領主さまとして領民は敬ってくれ、指示に従い、食料となる農作物や家畜を飼うことを始めてくれた。


「まあ、私にできることといったら簡単な攻撃魔法で野生の動物から畑を守ったり、栄養の足りない土地に魔力を与えることぐらいだもんね」


わたしが領主として行ったことは、領地全域に土属性の魔法で土地に魔力を与えたことだった。


当然魔力はがっつりもっていかれ、しばらく起きることができないほどだったけど、作物の実りは良く害虫に悩まされることも無くなり、領民からは神のごとく崇められたわ。


なので領地経営はおおむね順調といえるわね。


なのでわたしはその空いた時間をつかい魔法使いとしてのレベルアップをめざし魔力の修行をしている。


そこ!!あきらめ悪いとか思わない。私だってそうおもってるんだから。


ちなみに修行の中で一番つらいのはなんといっても魔力制御の修行ね。


これまたとんでもない集中力を要するの。


いまや私は領主なので、身の回りをしてくれるメイドを雇う身分になったからできるけど、一介の冒険者ならここまでの修行はできなかったかもしれない。


そういう意味では勇者パーティから離れるという選択は悪くはなかったかも。


まだ何か聞きたいことある?


え?勇者の真なる力ですって。ええ、知っているわよ。


なんでそんなことに興味あるの?まぁ別に構わないけど、そうよ。


私たちは伝説の大賢者様のところに行けたわよ。


何でも勇者の真なる力を授かるために必要だからってね。


でもねえ、嘘臭いのよねえ。


だって、大賢者様が授けたって言っても、効果音が「ぽよよん」よ、あんな軽い音ってある?

それに見た目も魔力も変わらないし、一体何が勇者の真なる力なのかしらねぇ。


ちょっと、聞いてるの!ホワイト。ヒィック。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


私、ベルフラワー・プラチアーナが領主の仕事と魔力修行の精を出していたある日、ある珍客がやってきた。


その珍客とはホワイトである。


元大地の勇者パウダーの同行者であり、途中からラベンダーとともに旅をしていた仲間でもある。


黒い鎧を身に付けており少し辛気臭いイメージがあるが、ラベンダーはこの人を好きなのかもというウワサがパーティ内で一瞬だけでた。


一瞬だけね。


だって、あまりにも釣り合わなさすぎる。


外見も能力も立場も。


だからラベンダーはきっとホワイトの立場に同情して優しくしているだけだろうと言う結論に至ったわ。


あ、これパーティ内での話ね。


アリザリン討伐あたりで合流してからラベンダーはホワイトのほうばかり視線が向いてたもんね。


もう、チラチラチラチラと。


用事がなくても声をかけてたし、ホワイトが私や聖女ケイトさんと話をしていると寂しそうな目で見ていたし。


けどなー。


んー。


ないわー。やっぱ、ないわー。


釣り合わないからなー。


あ、でもその様子をサンドベージュだけは憎々しい目で見ていたな。


あの人もわかりやすいぐらいラベンダーに好意をもっていたからな。


ちなみに私はだれからも好かれてない。ってうっさいわ!!!


ふぅ。


話をもとにもどすわね。


以前の仲間だったホワイトがうちの領地を訪れた。


サンドベージュから話は聞いてたけど、行商をしながら回復薬や魔石などパーティに必要な物資を調達する任務についているとか。


つまり、私とおなじで戦力外通告をうけたのだ。


ほんと、そういう意味でも仲間だよ。


そんなホワイトが私をみてうれしそうに声をかけてくる。


「あれ、ひさしぶり。ベルフラワーさん。あ、たしか男爵位をもらったっけ。改めてベルフラワー男爵様」


「やめてよね。柄でもない。領民の前ならともかく、誰もいないときは今まで通りで構わないわよ」


「そうか・・・。うん、ありがと。で、ベルフラワーさんはどうしてここにいるの?」


事情を聴かれたので仕方なく、私は説明した。


簡単に言うと、戦力外通告を受けそうだったので、自分から身を引いて領地経営をしているの。


あんたと同じよってね。


ホワイトはそれを聞いてやっちまったという表情をして黙り込んでしまった。


なのでとなりにいたゴージャス美女が代わりにはなしをしてきた。


「では男爵さまあ。この領地で行商を認めてくださらないかしら。あとはねえ、質問なんだけどお、この領地でしかとれないものとかあ、必要としているものとか教えてもらえると嬉しいわん」


おおおお。だれだこのゴージャス美女は。


でかい。でかい。身長もでかい。胸もでかい。なのに腰だけ細いってどういうことよ!


ホワイトも隅に置けないなあ。


ふむふむ。ナイルというのか。


ナイルさん。旅の同行者ね。


でも彼女、相当強いわね。ホワイトや私ではとてもかなわないわ。


・・・・てか、この魔力は龍族?


私はナイルを見ながらそう感じた。


でも、口では別のことを話した。


「そうねぇ。うちの領地で必要といったら肥料かしら。家畜のえさも大量に必要よね。そういうの用意できるかしら?」


私の出した返答を聞いてホワイトとナイルは2人で相談したかと思うと、「少し待ってください」といってホワイトは馬車へ荷物を取りに向かった。


どうやら、それなりの量の肥料を用意できるようだ。


少し見くびっていたわ。ごめんなさい。


このあと私は酒を交えてホワイトに愚痴を聞いてもらった。


※そして最初の方に戻るのでした。


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