宝物庫の試練
【97階層】宝物庫の試練
階段を下りている途中、不意に足元が光り始める。
──『宝物庫の試練を受けますか?』
選択肢が浮かび上がる。
(……こんなものを用意してくるとは。終盤のダンジョン、意外に気が利いているな)
罠の可能性もあるが、正直アイテムも心もとなくなってきたところだ。
「やろう」
呟いた瞬間、視界が一変した。
・銅の部屋
まずは銅色の壁に囲まれた広い空間。
中央には、巨大な二本の斧を持つリザードマンが立っている。爬虫類特有の冷たい眼光をこちらに向けながら、微動だにしない。
入り口の左側には分厚い銅の扉。
部屋の奥には一つの松明が灯っている。
(松明の火を消せば扉が開く、か……)
真正面からあのリザードマンを倒すのはかなり骨が折れそうだ。
試しに松明に向かって「水の渦」を放つと、狙い通り松明の炎が掻き消えた。
──ガチャリ。
扉が開く音がする。
……いけちゃう感じか。
リザードマンがこちらを睨んでいる気がするが、気にせず次の部屋へ。
・銀の部屋
今度は銀色に輝く装飾が施された部屋。
入り口の左側には分厚い銀の扉。
奥には巨大な鎧をまとったオーガが立ちはだかっている。腰には鍵束がぶら下がっている。
(こいつを倒して鍵を奪えってことか)
真正面からあのオーガを倒すのは相当骨が折れそうだ。
ならば……
俺はバッグの中から「鍵束」を取り出し、試しにいくつか扉の鍵穴に差し込んでみる。
──カチャリ。
「……開いちゃうんだなぁ」
オーガがこちらを睨んでいる気がするが、気にせず扉を抜けた。
・金の部屋
最後の部屋は、黄金の装飾で埋め尽くされた広間だった。
そして奥には、財宝を身にまとう一体の竜。
圧倒的な力を感じる。
蜘蛛といい、ゴブリンといい、流石にダンジョンの深層だけあって化け物ぞろいだ
(これは大変だぞ……)
視線を手前にずらすと、溶岩の中に置かれた宝箱が目に入る。
(竜を倒せば溶岩が引き、宝を取れる……)
だが、
(これぐらいなら、なんとかなっちゃわないかな。)
わざわざ戦わずとも別の方法がある。
俺は「耐熱の手袋」で、慎重に溶岩の中の宝箱を掴もうとする。
……あと少し。
もう少し腕が伸びれば届くのに。
俺は「炎竜の鱗」と「銀の音楽アルバム」を組み合わせ、宝箱を挟んでの取り出しを試みる。
「お、お……いけるぞ!」
アルバムの表面がじわじわと焦げるが、どうにか宝箱を取り出せた。
「さて……中身は?」
──『奇跡の指輪!』
「……お、おう……まぁ……」
確かに強力なアイテムだが、以前にも手に入れたことがあるため、そこまでの驚きはない。
竜がこちらを睨んでいる気がするが、気にせず階段へ向かった。
・リソース更新
スキル: 激しく踊りながら素早く移動して回避 / タコ殴り / 丸呑み / スキルを奪われし者 / 道草 / くしゃみ / 買い物上手 / 終焉 / いっぱしの冒険者の心 / 水洗トイレ / 最後に行きつくのはとげへの感謝
アイテム: まさひこのネームプレート / 鍵束 / 冒険者アレクセイの記憶 / スキル強化の秘宝 / 炎竜の鱗
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / 魔法杖のヴァイオリン / 魔法反射の外套 / 大魔導士の腕輪 / 強者のグラサン / 強欲な盗賊の指輪 / 満たされた盗賊王のブーツ / ヴェルガル族のペンダント / 彷徨う捕食者の指輪 / 奇跡の指輪




