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出会いの道

【9階層】 出会いの道


次の階層に降りると、そこには冒険者らしき白骨が転がっていた。


(また誰かの成れの果てか……)


2度目ともなると、そこまで驚きもしない。


だが、白骨に近づいて道具を物色していると 


スキル、『出会いの道』を獲得。


(……?)


瞬間、ふとした違和感が走った。


(……なんだ?)


視界の端に光が見えた。


次の瞬間——


俺は巨大な光の道の上に立っていた。


道の両側には、数えきれないほどの人影。

……いや、そもそも彼らは人間なのか?


(こいつら……誰だ?)


人間のようで、人間ではない何か。

いろんなものたちが行き交っている。


俺は恐る恐る話しかける。


「おい、ここはどこだ?」


……返事はない。


誰もが淡々と道を歩き続けるだけだった。


突然、右腕が掴まれる。


「……っ!!?」


すさまじい力だ。


引きずられそうになる。


右手強化を使っても振りほどけない。


「チッ……!」


左腕も掴まれる。


(まずい……!)


気づけば周囲の人々が、静かに俺を取り囲んでいた。

言葉も発さず、ただ淡々と俺を連れていこうとする。


(このままじゃ連れ去られる!)


俺は咄嗟に魚に変化する。


——水中を泳ぐように、ヌルリと腕をすり抜けた。


(よし!——って、やばい!!)


真上に迫る誰かの足。


体が踏みつぶされそうだ。


(すぐ戻らないと死ぬ!!!)


急いで元の姿に戻る。


「はぁ……っ、クソ……」


また掴まれそうになる。


咄嗟に、蜘蛛の感覚と鍵爪付きロープを駆使し、自分の両腕をくっつけて固定。


腕を掴まれなければもしかして……


だが——


体ごと運ばれるハメになった。


こいつら……


運ばれながら、俺は静かに呟いた。


「……覚悟しろよ、お前ら……」


両手の先に力が集まる。


(もうどうなってもしらん……!)


「コスモバスター!!!!」


光線が人々ごと道を破壊する。


道が崩れ、人々が次々と光に飲み込まれる。

世界が歪み、全てが崩壊していく——


——次の瞬間。


俺は、白骨の前に立っていた。


(……戻ってきた?)


まるで、最初から何もなかったかのように静かな空間。

ただ、一つだけ違うものがある。


白骨の傍に、古びた剣が落ちていた。


(持っていくか……どうする?)


何となく、ただの剣には見えない。

だが、ここまで来て手を引くのも癪だ。


「……毒を食らわば皿まで、だな」


俺は剣を拾い、次の階層へと向かった。


——


・リソース更新

スキル: 炎の心得 / 魚変化 / 蜘蛛の感覚 / 右手強化 / コスモバスター / 伸びる頑丈な首 / へなちょこ冒険者の動き / 出会いの道

アイテム: 薬草 / 星の欠片 / くじ引き券

装備: バッグ / ナイフ / 耐熱の手袋 / 鍵爪付きロープ/ 古びた剣


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