くのいちの襲撃
【86階層】くのいちの襲撃
──つけられている。
二人、いや、三人か。
自然と視線を走らせ、周囲の気配を探る。
冒険者アレクセイの記憶が警鐘を鳴らす。
「この階には、十人組のくのいちが潜んでいる。全員異なる術を使う。今は四人だが、放置するとどんどん増え、十人揃った時、必ず襲われる。」
……四人か。
前の階層の平和から、まだ感覚が戻りきっていない。
──と、気づいた瞬間、空気が変わった。
シュッ!
──襲い掛かってくる。
・水遁の術で水龍を操るくのいち
・花びらを自在に操るくのいち
・炎の鞭を振るうくのいち
・背中に翼を持ち、空から襲い掛かるくのいち
それぞれ異なる攻撃手段を持ち、加えて連携が優れている。
最初は押された。
連携された攻撃は一人では捌ききれない。
水龍の勢いに足を取られ、炎の鞭が容赦なく襲い掛かる。
花びらの嵐が視界を遮り、上空からの奇襲を捌ききれない。
……だが、戦いの中で、一気に感覚が戻ってくる。
かつて戦ってきた、幾多の強敵。
経験が思考を研ぎ澄ませる。
──連携が優れた敵は、崩れれば脆い。
俺は、炎の鞭のくのいちの足元に水の渦を生み出す。
勢いよく渦に飲まれ、鞭使いの体勢が崩れる。
この瞬間を逃すわけにはいかない。
俺は耐熱の手袋で鞭を掴み、蜘蛛の感覚を発動。
鞭の軌道を操作し、上空のくのいちを弾き落とす。
「……悪いな」
落ちた瞬間、そのまま丸呑み。
連携が崩れたことで、他の三人の動きも乱れる。
体の左右に水の渦を発生させ、回転の力で一気に加速。
鞭使いへ突進し、そのまま丸呑み。
残る二人。
花びらのくのいちの前に、水の渦を発生。
焦った彼女が花びらを防御に回した瞬間──
ヴァイオリンでタコ殴り。
「……おやすみ」
最後に残ったのは、水遁のくのいち。
最もやっかいな相手だったが、一人になってしまえば勝てない相手ではなかった。
連携が崩れた彼女は、水龍の威力も半減。
もはや勝負は決していた。
◇
──勝った。
だが、気を引き締めなければならない。
これからは、もっと強い敵が現れるだろう。
次の階へ向かった。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 激しく踊りながら素早く移動して回避 / タコ殴り / 丸呑み / スキルを奪われし者 / 道草 / くしゃみ / 買い物上手 / 終焉 / いっぱしの冒険者の心 / 水洗トイレ / 最後に行きつくのはとげへの感謝
アイテム: まさひこのネームプレート / 鍵束 / 小さな杖 / 銀の音楽アルバム / 冒険者アレクセイの記憶 / 金貨の袋 / 炎竜の鱗 / 魔法の小瓶
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 魔法反射の外套 / 大魔導士の腕輪 / 強者のグラサン / 強欲な盗賊の指輪 / 満たされた盗賊王のブーツ / ヴェルガル族のペンダント / 彷徨う捕食者の指輪




