森に潜むもの
【84階層】森に潜むもの
歩いていると、森に入った。
ダンジョン内の環境はコロコロと変わる。もはや森程度で驚くことはない。
しばらく進むと、前方で動く影に気づいた。
「……ん?」
兵士の一団だ。
鎧を着込み、槍を携えた彼らは、明らかに組織だった動きをしている。
俺に気づいた兵士たちは、最初は警戒するような目を向けてきたが──すぐに態度を変えた。
「……ぷっ!」
「おいおい、見ろよ!ヴァイオリン持ってるぞ!」
「まさか、ヴァイオリンの勇者の真似か?」
彼らは俺を見て笑った。
「……ヴァイオリンの勇者?」
「知らないのか?昔、ヴァイオリンを使って強いモンスターを倒し、国を救った英雄がいたんだよ!」
「そんな訳の分からない奴が、俺以外にもいたのか……」
思わず呆れた声が漏れる。まさか楽器を戦闘で使うような英雄がいたとは。
そんな俺の反応を見て、兵士たちは顔を引き締めた。
「ともかく、怪しいやつだ。とりあえず捕縛させてもらう。」
「いや、なんでそうなる?」
「見た目が怪しいし、ヴァイオリンを持ってるし──」
「……理由になってないな。」
俺は軽く構えると、兵士たちを叩きのめした。
「なっ……!」
「う、嘘だろ……!」
しばらく呆然としていた兵士たちだったが、一人が何かを思い出したように顔を上げた。
「そ、そうだ!俺たちはこれからモンスター退治に向かうんだ!」
「そんな多人数で?どんなやつだ?」
「強力な魔物だ。あんたみたいに強いなら、協力してくれないか?」
強力なモンスターがいるなら、大勢で行動した方が良さそうだ。
「わかった。」
即答すると、兵士たちは目を丸くした。
「え……本当に?」
「俺がいいって言ってんだからいいんだよ。」
「そ、そうか……助かる!」
そして、問題のモンスターの元へと向かう。
──そこにいたのは。
ベジタブルドリーマーだった!!!
「……お前とだけは会いたくなかった。」
このあたりの階層は、同じようなモンスターが出やすいのだろうか。
俺は覚悟を決めた。
………………………
相変わらず、凄まじい強さだった……!
一度戦って攻撃パターンを知っていなかったら、やられていたかもしれない。
野菜の可能性は無限大だな……。
兵士たちは、戦闘に関わることすらできず、遠巻きに見ていたが──
「おおおおおっ!」
歓声が上がる。
「あなたは真の勇者です!」
「ぜひ、城へ!」
凄い熱量で請われるが、大したことはしていないと言って断る。
「悪いけど、用があるんだ。」
兵士たちは惜しそうな顔をしていたが、俺がこれ以上関わるつもりがないことを察したのか、しぶしぶ引き下がった。
正直、ベジタブルドリーマー級の他のモンスターも倒してくれと言われたら、自信はない。
周囲を警戒しながら、俺は足早にその地を離れた。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 激しく踊りながら素早く移動して回避 / タコ殴り / 丸呑み / スキルを奪われし者 / 道草 / くしゃみ / 買い物上手 / 終焉 / 満たされない心 / 水洗トイレ / 最後に行きつくのはとげへの感謝
アイテム: まさひこのネームプレート / 鍵束 / 小さな杖 / 銀の音楽アルバム / 冒険者アレクセイの記憶 / 金貨の袋 / 炎竜の鱗 / 魔法の小瓶
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 魔法反射の外套 / 大魔導士の腕輪 / 強者のグラサン / 強欲な盗賊の指輪 / 満たされた盗賊王のブーツ / ヴェルガル族のペンダント / 彷徨う捕食者の指輪




