野菜と魚人
【83階層】野菜と魚人
恐ろしい強さだった
──敵のモンスター、ベジタブルドリーマー。
野菜の可能性をこれでもかと味わわされたな。
そして、もう一つ予想外だったのが、いつの間にか俺と共闘していた魚人。
こいつも強い。
三体の強さは拮抗していた。もし標的になっていたのが俺だったら、間違いなくここで冒険は終わっていただろう。
戦いの最中、俺はこいつと次に戦う可能性を考え、身構えた。
だが、俺の警戒を察したのか──魚人はゆっくりと身を引いた。
「……お前は海そのものだ。海と戦う気はない。」
淡々とした口調だが、その言葉には妙な重みがあった。
それに、俺を値踏みするような敵意もない。
「……そうか。」
どうやらコイツはかなり理性的なモンスターらしい。
そんな俺の考えを見透かしたように、魚人はふと俺の足元を指した。
「お前のブーツに付いている海底の泥が欲しい。」
「……は?」
ブーツを見下ろす。確かに海でついた泥らしきものがこびりついている。
「何に使うんだよ、これ。」
「理由を知る必要はない。」
相変わらず淡々としているが、こいつが嘘をついているようには見えない。
「まあ、こんなのいくらでもやるよ。」
俺はブーツを軽くこすって、深海の泥を掻き落とす。
すると、魚人はそれを慎重に手に取り、まるで宝物でも手に入れたかのように頷いた。
「礼をしよう。」
「ん?」
「私は輝く海の賢者サガラーサ。相手の魂から、一度だけ魔法の装備を作り出すことができる。」
「……マジか。」
どうやらコイツは、特殊な能力を持つ存在らしい。
そして──
サガラーサは俺の前に手をかざし──
次の瞬間、指輪がひとつ、宙に生まれ落ちた。
「……なんだこれ?」
「分からない。」
魚人はあっさりと答えた。
効果の分からない指輪か。
正直……かなり嬉しい。
自分の魂から生まれた装備。効果に関係なく魅力的に思えた。
「めちゃくちゃ嬉しいよ!ありがとう!」
俺が感謝を述べると、魚人は少し照れたように視線を逸らし、「私まで食われたらたまらない」と軽口を叩く。
そして、そのままどこかへと去っていった。
俺は手の中の指輪を見つめ、軽く息を吐いた。
「……さて、次に行くか。」
俺は新たな装備を手に次の階層へと足を踏み出した。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 激しく踊りながら素早く移動して回避 / タコ殴り / 丸呑み / スキルを奪われし者 / 道草 / くしゃみ / 買い物上手 / 終焉 / 満たされない心 / 水洗トイレ / 最後に行きつくのはとげへの感謝
アイテム: まさひこのネームプレート / 鍵束 / 小さな杖 / 銀の音楽アルバム / 冒険者アレクセイの記憶 / 金貨の袋 / 炎竜の鱗 / 魔法の小瓶
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 魔法反射の外套 / 大魔導士の腕輪 / 強者のグラサン / 強欲な盗賊の指輪 / 満たされた盗賊王のブーツ / ヴェルガル族のペンダント / 彷徨う捕食者の指輪




