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ベテラン女冒険者

【82階層】ベテラン女冒険者


特に何もない。


敵も、仕掛けも、トラップも。特にどういうということもない。


「……まあ、こんな階層もあるか。」


そう思った矢先、階段を上がってくる気配があった。


──女冒険者だ。


大分下の階まで来たというのに、疲れた様子はなく、むしろ手慣れた動きをしている。


俺を見るなり、彼女は顔をしかめた。


「……こんなひどいスキル構成の人、見たことない。」


「は?」


「何?水洗トイレって?」


「くしゃみ?そんなスキル持ってる意味が全く分からない。」


「心が満たされないとか、そんなスキル構成で満たされるやついるわけないでしょ?」


「それに、とげに感謝して何か意味ある?」


散々文句をつけられる。


どうやら、この女冒険者は俺の持っているスキルをすべて見抜くことができるらしい。


だが──手慣れた冒険者なら、聞きたいことはいくつもある。


俺が口を開こうとした瞬間、彼女は言った。


「……でも、その地面に溶け込んで移動のスキルは使えそう。貰ってあげる。」


「?」


次の瞬間、彼女の姿は忽然と消えた。


──スキルリストを確認すると、地面に溶け込んで移動が消え、スキルを奪われし者、という呪われたスキルに変わっている。


「……あっという間だったな。」


だが、スキルを盗まれた代わりに、俺の強欲な盗賊の指輪がしっかり効果を発揮してくれていた。


手元には、新たに魔法の小瓶と前借りの宝石がある。


……ただし。


「……しまった。」


前借りの宝石を入れ物から取り出した瞬間、宝石が砕けてしまった。


「……出しちゃいけないアイテムだったのか?」


結局、それが何の効果を持つアイテムなのかも分からないまま、俺は宝石を失った。


──とはいえ、失ったものを嘆いても仕方がない。


「あるものでやっていくしかない。」


気を取り直し、次の階へ進む。


・リソース更新

スキル: 蜘蛛の感覚 / 激しく踊りながら素早く移動して回避 / タコ殴り / 丸呑み / スキルを奪われし者 / 道草 / くしゃみ / 買い物上手 / 終焉 / 満たされない心 / 水洗トイレ / 最後に行きつくのはとげへの感謝

アイテム: まさひこのネームプレート / 鍵束 / 小さな杖 / 銀の音楽アルバム / 冒険者アレクセイの記憶 / 金貨の袋 / 炎竜の鱗 / 魔法の小瓶

装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 魔法反射の外套 / 大魔導士の腕輪 / 強者のグラサン / 強欲な盗賊の指輪 / 満たされた盗賊王のブーツ / ヴェルガル族のペンダント


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