盗賊と異形の冒険者
【64階層】盗賊と異形の冒険者
「……?」
気づけば、俺の手の中に金貨の入った謎の袋があった。
何の前触れもなく、どこからともなく現れたこの袋。
「嫌な予感がするな」
さらに進むと、壁にかかったボロボロの看板が目に入る。
──盗賊注意。
ますます嫌な予感がする。
俺は警戒しながら歩みを進めた。
──が、その警戒はまったく役に立たなかった。
「……!」
次の瞬間、俺の手から袋が消えた。
何が起こったのか理解する前に、視界がぐにゃりと歪む。
気がつくと、俺は入り口に戻っていた。
そして、青い風景画がなくなっている。
「なるほどな……」
一度盗まれると、何かを余分に奪われる。
しかも、この袋を守り切らないと先に進めないらしい。
「クソが……!」
そう思った矢先、目の前に異形の冒険者が立っていた。
「……お前もか」
そいつは、何度も盗まれ、袋を取り返すために延々と戦い続けているのだろう。
奴の瞳は、何かを忘れてしまったような虚ろな色をしていた。
「命を盗まれても続くぞ」
それだけ言うと、そいつは消えた。
──だが、やるしかない。
再び歩き出す。
俺は激しく踊りながら素早く移動して回避を試みた。
しかし──
「無駄だぜ!」
何の前触れもなく、俺の手から袋が消えた。
盗賊は得意げに笑う。
「鈍間め! あの絵以外にマシなものは無いのか!」
俺の持ち物を嘲笑う盗賊。
──だったら、ちょうどいい。
俺はニヤリと笑った。
「ピッタリなものがあるぜ」
盗賊が怪訝そうに袋の中を覗き込む。
その顔が見る見る青ざめていく。
「……なんだこれ?」
「最初から仕込んでおいたさ」
──"死への特急券"
奴が二度目に盗むことを見越して、最初から袋の中に放り込んでおいたものだ。
盗賊が慌ててそれを取り出そうとした瞬間──
轟音とともに空間が裂けた。
「待て! 何だこれ!? 冗談だろ!!」
黒い鉄の列車が姿を現し、盗賊を飲み込む。
「ぐわああああああっ!!!」
奴は断末魔を上げながら、列車に轢き潰され、消え去った。
辺りは静寂に包まれる。
……終わった。
俺は、地面に残された強欲な盗賊の指輪と金貨の袋を拾い上げた。
その時、異形の冒険者が再び現れた。
「借りは返す」
そう呟くと、彼は影のように消えた。
……何だったんだ、あいつ。
俺はため息をつき、階段へと向かった。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 激しく踊りながら素早く移動して回避 / タコ殴り / 丸呑み / 地面に溶け込んで移動 / 王の風格 / 道草 / くしゃみ / 買い物上手 / 終焉
アイテム: 誰かの目玉 / まさひこのネームプレート / ウナギ / 針×2 / 鍵束 / 回復ポッドの液 / 茶色い液 / 怪しい食料 / 巻き戻しの巻物 / 小さな杖 / 魔法のタロット / 銀の音楽アルバム / 冒険者アレクセイの記憶 / 金貨の袋
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 魔法反射の外套 / 大魔導士の腕輪 / 強者のグラサン / 強欲な盗賊の指輪




