大宇宙の戦士
【6階層】大宇宙の戦士
階段を降りると、目の前に奇妙な存在が立っていた。
(……人間? いや、違う)
人間大の宇宙人といった風貌。
全身が滑らかな銀色に輝き、顔には表情がない。
——そして、なぜか俺は知っている。
(……『大宇宙の戦士バルトロ』?)
なぜ名前がわかるのかは不明。だが、こいつが敵であることは直感的に理解できた。
バルトロはゆっくりと両腕を前に突き出し——
両手の指先をピタッと合わせた。
「……?」
何かの攻撃か? そう思い、身構える。
しかし——
(……何も起こらない?)
警戒したが、バルトロはただ静止しているだけだった。
(……何なんだ? もしかしてフェイントか?)
迷っている時間はない。この隙に一気に仕留める!
「——行くぞ!」
俺は一気に距離を詰め、拳を叩き込む!
ドガッ! バキッ!
バルトロは抵抗する様子もなく、ただ無言で殴られ続ける。
(なんだ、こいつ……弱い?)
殴りながら違和感を抱くが、それでも構わず攻撃を続け——
その時だった。
「——コスモバスター!!!!!!」
バルトロが突如叫ぶ。
(なっ……!?)
次の瞬間——
両手の指先から、凄まじい光線が放たれた。
ズドォォォォォン!!!!!!
凄まじい轟音とともに、光線はダンジョンの天井を突き抜け、上の階層をどこまでも破壊していく。
(……っ、こんなもん食らったら跡形も残らねぇ!!)
幸い、光線は俺の横をすり抜けた。
だが、あの威力を考えると、直撃していたら一瞬で終わっていただろう。
(……いや、むしろ撃たせたのがマズかったな)
このダンジョン、崩壊したりしないよな?
そんな不安がよぎるが、バルトロはもう息絶えかけている。
「……終わりだ」
俺は最後の一撃を叩き込み、バルトロを沈めた。
その瞬間——
(……また来た、スキルか?)
脳内に情報が流れ込む。
スキル『コスモバスター』取得。
試しに手を構えてみると、指先に微かにエネルギーが集まる感覚があった。
(……とんでもないものを手に入れたな)
危なくて気軽には使えなさそうだ。
崩落の兆候はないことを確認しつつ、俺は次の階へと向かった。
・リソース更新
スキル: 炎の心得 / 魚変化 / 蜘蛛の感覚 / 右手強化 / コスモバスター
アイテム: 薬草
装備: バッグ / ナイフ / 耐熱の手袋 / 鍵爪付きロープ