凄腕のボディーガード
【59階層】凄腕のボディーガード
階段を降りた瞬間、空気が変わった。
「……殺気が濃いな」
広間の中央に、一人の男が立っていた。黒いスーツに身を包み、鋭い目つきでこちらを見据えている。
「ここは通さない」
凄腕のボディーガード。ダンジョンのボス階層の前に、こんなやつを配置するとは、いやらしい。
次の瞬間、地面が揺れた。
俺は即座に影走りで後退。だが、それすら見切ったかのように、奴は追ってくる。
「速い……!」
ヴァイオリンを構え、迎撃。だが、拳が先に飛んできた。
──ゴッ!
ヴァイオリンと拳がぶつかり、衝撃で俺の腕が痺れる。
それでも怯む暇はない。蜘蛛の感覚で次の攻撃を察知し、ぎりぎりで躱す。
「こいつ、ボス並みじゃないか……!」
奴は表情一つ変えず、淡々と攻撃を繰り出してくる。防御も隙がない。
こうなれば、持てるすべてのスキルを駆使するしかない。
影走りで撹乱し、タコ殴りで隙を作る。丸呑みを試みるも、すぐに跳ね返される。道草で変則的な動きを取り、王の風格でプレッシャーをかける。
それでも、決定打がない。
長時間の死闘。互いに息が上がる。
「そろそろ終わらせないとまずい……」
俺はバッグから魔法のタロットを取り出した。手に取ったカードは──《隠者》。
「……これならどうだ!」
カードの力が俺のスキルを強化する。
俺は地面に溶け込んだ。
しかし、今回はただの移動ではない。
ボディーガードの足元に潜り込み、そのまま奴の身体を地面の中へ引きずり込んだ。
「……!」
奴の表情がわずかに歪む。
そのまま、俺だけが地上に戻る。
「おやすみ」
しばらく地面が波打っていたが、やがて静まった。
俺は深く息を吐く。
「……疲れた」
敗れたボディーガードが身に着けていたグラサンを拾い、眺める。
「強者のグラサン……か」
俺はそれをバッグに突っ込み、次の階層へ向かった。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 影走り / タコ殴り / 丸呑み / 地面に溶け込んで移動 / 王の風格 / 道草 / くしゃみ / 買い物上手 / 終焉
アイテム: 誰かの目玉 / まさひこのネームプレート / ウナギ / 針×2 / 鍵束 / 回復ポッドの液 / 茶色い液 / 怪しい食料 / 巻き戻しの巻物 / 青い風景画 / 小さな杖 / 魔法のタロット ×2 / 銀の音楽アルバム / 死への特急券 / 冒険者アレクセイの記憶
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 魔法反射の外套 / 大魔導士の腕輪 / 強者のグラサン




