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怒りと悲しみの叫び

【55階層】怒りと悲しみの叫び


目の前の地面がぐにゃりと揺らめいた。


──沈む。


次の瞬間、俺の影の上に何かが染み出し、急激に形を変えた。


「……また厄介なやつか」


ゆらめく影が伸び上がると、人型へと変わる。顔はない。黒い泥のような体を持ち、するりと地面へと沈んだ。


敵の正体はわからないが、一つ確かなことがある。


──こいつは地面に溶け込んで移動する。


俺が踏み込めば、その直前に消え、背後や側面から現れる。見切るのは難しい。


だが、俺には影走りがある。


このスキルは単なるスピード強化じゃない。加速し、急停止し、意表を突く軌道を描く。影のように、掴ませない。


俺は一歩踏み出し、フェイントをかけた。敵がそれに反応して沈み込む。


──読めた。


俺はさらに速度を上げ、敵が出現するであろう地点へ先回りする。姿を現した瞬間、全身を捻りながらヴァイオリンを振り抜いた。


ズシャッ!


泥のような体が激しく揺らぎ、ぶちまけられる。


──だが、再び地面へ沈む。


「しぶといな」


ならば、次は逃さない。


俺はあえて敵の攻撃を受けるふりをして、わざと足を止めた。案の定、影から奴が飛び出す。


その瞬間、全力の影走り。


視界が流れる。敵の真横へ瞬時に回り込み、ヴァイオリンを叩き込む。


ズガァッ!!


泥の塊が四散し、残骸が地面に沈んだ。


──それで終わりだった。


息を整えながら、俺はしばらく地面を見つめる。


スキルは……来ない。


「……最近、スキルを覚える回数が減ったな」


一体、何が変わった?


考える間もなく、胸の奥から込み上げるものがあった。


苛立ち。そして、虚しさ。


俺は何のために戦っている?力を得るためか?違う。


でも、ここまで進んで、得られるものがないのは──


………ムカつく!


こいつは地味に強い敵だったんだ!!!


俺は怒りと悲しみの声のスキルを思い切り発動した。


「……なんで……スキルが手に入らないんだーーーーーー!!!!!!!!!!!!」


………… 


ふう。


たまにこうやって発散するのも悪くないな。


すると──


──俺の怒りと悲しみが、新たなスキルを生み出した。


俺の「怒りと悲しみの声」は、「地面に溶け込んで移動」のスキルへと変化した。


…………


そういえば、怒りと悲しみの声のボスもスキルに怒っていたな。


心からスキルに怒ることで、怒りと悲しみの声スキルの本当の力を引き出すことができたのかもしれない。


「よくわからんが……」


ゆっくりと息を吐き、前を見据える。


「まぁ、いいか。」


俺は歩き出した。


・リソース更新

スキル: 蜘蛛の感覚 / 影走り / タコ殴り / 丸呑み / 地面に溶け込んで移動 / 王の風格 / 道草 / くしゃみ / 買い物上手 / 終焉

アイテム: 誰かの目玉 / まさひこのネームプレート / ウナギ / 針×2 / 鍵束 / 回復ポッドの液 / 茶色い液 / 怪しい食料 / 巻き戻しの巻物 / 青い風景画 / 小さな杖 / 魔法のタロット ×3 / 銀の音楽アルバム / 死への特急券

装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 魔法反射の外套 / 大魔導士の腕輪


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