終着駅
【53階層】終着駅
──またか。
嫌な予感がしていたが、気づけば俺は再びあの駅に立っていた。
「道草」
呪いのスキルが、またしても勝手に発動したらしい。
薄暗い構内。人の気配はなく、どこか湿っぽい空気が漂う。
「……仕方ない」
ため息をつきながら歩き出すと、向こうから小さな影がふらふらと現れた。
迷子だ。
だが前に会った迷子とは違う。背は低く、ずんぐりとしていて、全身が不気味にねじれている。
「ヨーヨー、ヨーヨー……」
甲高い声でつぶやきながら、俺の足元に寄ってくる。
「……なんだ」
「ヨーヨー、ヨーヨー、ちょうだい……」
「ヨーヨー? ああ、これか」
バッグを探り、商人から買ったヨーヨーを取り出し、いくつか技を披露する。
迷子のモンスターはそれをじっと見つめ、細い指を伸ばしてきた。
渡してみると、夢中になってヨーヨーを操り始めた。
「ありがと……これ、あげる……」
代わりに差し出されたのは、一枚の古びた切符だった。
「……死への特急券?」
嫌な名前だ。嫌な予感しかしない。
だが、気づけば指が勝手にその切符を握りしめていた。
──まずい。
指先が震え、意識が薄れていく。
──このままでは……
「……っ、くしゅん!」
唐突なくしゃみが飛び出した。
はっとする。
視界がクリアになり、意識が戻る。
気づけば、駅の構内は消え、見知らぬ場所に立っていた。
「……助かったのか?」
くしゃみのおかげで正気に戻れたらしい。
俺は手の中の切符を見下ろした。
──迂闊に使うものではなさそうだ。
そっとバッグにしまい、次の階層へ進むことにした。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 影走り / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声 / 王の風格 / 道草 / くしゃみ / 買い物上手 / 終焉
アイテム: 誰かの目玉 / まさひこのネームプレート / ウナギ / 針×2 / 鍵束 / 回復ポッドの液 / 茶色い液 / 怪しい食料 / 巻き戻しの巻物 / 青い風景画 / 小さな杖 / 魔法のタロット ×3 / 銀の音楽アルバム / 死への特急券
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 魔法使いの外套




