終焉
【50階層】終焉
階段を下りると、視界が一瞬で闇に閉ざされた。
そして次の瞬間、強烈な殺気が全身を貫く。
「──終焉の悪魔」
名が頭に浮かぶと同時に、巨大な影が目の前に立っていた。
──いきなりの戦闘。考える暇もない。
俺はすぐさま手りゅう弾を全弾投げつけた。
爆風が闇を切り裂き、炎が悪魔の姿を照らし出す。
だが──
「……効いてない」
爆煙の向こうから、ゆっくりと姿を現す終焉の悪魔。
傷ひとつない。
俺は機関銃を構え、全弾叩き込んだ。
銃声が響く。しかし、それでも倒れない。
「クソッ!」
撃ちすぎて機関銃が壊れる。
ならば、と俺は獣の膂力を発動し、ヴァイオリンでタコ殴りにした。
──が、それすらも効果なし。
「……どうすんだよ、これ」
丸呑みする隙もない。回避に精一杯。
そして、悪魔の攻撃が迫る。
──これしかない。
前の階で考えた組み合わせ。
俺は指にはめた幸運の指輪を発動し、砕いた。
「道草、発動」
──視界が一転する。
道草+幸運。
状況が打開できる場所へ移動する!
…………
気づけば、俺は謎の小部屋にいた。
ボスにダメージを与えられる場所にでも移動するかと思ったのだが…
「……逃げられたの、か?」
部屋の片隅には、冒険者の白骨死体。
以前に終焉の悪魔と戦った冒険者だろうか。
「……もらっていくぞ」
なりふり構っている場合ではない。
俺は、死体の傍らにあった道具を回収した。
・魔法のタロット×5枚(戦車、力、隠者、死神、太陽)
・魔法使いの外套
・小さな杖
回収していると
終焉の悪魔が小部屋を破壊した。
「……やはり簡単に逃がしてはもらえないか。」
闇の世界に引き戻される。
……だが、これで逆転のチャンスを掴んだ。
俺は魔法のタロットのうち「力のタロット」と「死のタロット」を使用。
強化した「風のナイフ」を投げる。
──ナイフが唸りを上げ、悪魔の肉に突き刺さる。
叫び声をあげる終焉の悪魔。
「……効いた」
ならば、と俺は迷わずヴァイオリンでタコ殴り。
傷口を広げる。
悪魔が怯んだ──
その隙を逃さない。
「──ここしかない!」
俺は唯一のチャンスを見極め、丸呑みを発動。
──ゴクリ。
…………
勝った、のか?
恐ろしい強敵だったが、なんとか丸呑みにできたらしい。
その証拠に、新しいスキル、終焉を手に入れた。
代わりに獣の膂力を捨てる。
タコ殴りが効かない敵には、獣の膂力を使っても大きなダメージは与えられなそうだ。
……一体どれだけの冒険者が、終焉の悪魔によって冒険を終わらせられたのだろうか。
確かなのは、俺の冒険はまだ続くということだけだ。
……行くか。
気を取り直し、次の階へ向かった。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 影走り / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声 / 王の風格 / 道草 / くしゃみ / 買い物上手 / 終焉
アイテム: 誰かの目玉 / まさひこのネームプレート / ウナギ / 針×2 / 鍵束 / 回復ポッドの液 / 茶色い液 / 怪しい食料 / 巻き戻しの巻物 / ヨーヨー / 青い風景画 / 小さな杖 / 魔法のタロット ×3
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 魔法使いの外套




