回復ポッド
【48階層】回復ポッド
目の前に10枚の扉が並んでいた。
色も形もバラバラで、何の規則性もない。ただ、どれも何かしらの異常な気配を放っている。
「……選べってことか?」
無視して進める構造ではないらしい。全ての扉には鍵がかかっておらず、開けるのは自由なようだ。
俺は慎重に考えたすえ、適当に5番目の扉を開いた。
──中には、回復ポッドが置かれていた。
透明なカプセルの中には、青白く光る液体が満たされている。これは……回復装置か?
「試してみるか……」
慎重に中へ入る。ポッドの蓋がゆっくりと閉まり、青い液体が俺の体を包み込んだ。
感覚がじんわりと薄れていく。これは……悪くない……。
──その瞬間だった。
「……お前は誰だ?」
頭の中に、別の声が響く。
次の瞬間、視界が揺らぎ、周囲が闇に飲まれた。
気づけば、俺は何もない空間にいた。
目の前に、俺と同じ姿をした何かが立っている。
「……乗っ取るのか?」
「その通りだ」
──敵は、精神体だった。
ポッドの液体を媒介にして、俺の精神に侵入してきたらしい。
身体が動かない。意識が薄れていく。
(……クソ、やられる……?)
こんなにあっさりと……
冒険の終わりとはこういうものなのか……
その時だった。
「ボンッ!!!」
──スキル《自爆》が発動した。
衝撃と共に、俺の意識は壊れたポッドの中へと引き戻される。
「っ……はぁ、はぁ……!!」
俺は、まだ俺のままだった。
しかし──俺の左手の指が空っぽになっている。
……奇跡の指輪が消えていた。
「……指輪が、俺を助けたのか?」
指輪が俺を自爆のダメージから守り、代わりに消滅したのだろう。
「……助けられたな。やせ我慢の戦士だったか……」
悪魔の書と交換したアイテムはかなり強力なものだったようだ。
ふーっと息を吐きながら、ポッドの蓋を開けた。
床にこぼれた青い液体が目に入る。
「せっかくだ、少しもらっていくか……」
俺はポッドに残った液体を空の瓶に詰め、アイテムとして持っていくことにした。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 影走り / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声 / 獣の膂力 / 王の風格 / 道草 / くしゃみ / 自爆済み
アイテム: 大量の懸賞金 / 誰かの目玉 / まさひこのネームプレート / ウナギ / 針×2 / 鍵束 / 回復ポッドの液
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り




