迷子二人
【47階層】迷子二人
気がつけば、俺は見知らぬ駅のホームに立っていた。
石造りの床。煤けた柱。どこか懐かしい雰囲気のある無人の駅舎。
「……また、道草のスキルか?」
まったく、勝手に発動されると厄介だ。牢獄の次は駅とは、呪いのセンスを疑う。
周囲を見回すと、駅のベンチには妙な生き物が座っていた。
──モンスター。
全身が黒いモヤで覆われ、顔はぼんやりとしたシルエットだけ。目のようなものが光っている。
「……お前も迷子か?」
「……うん。ぼく、どこに行けばいいかわからない」
喋るのか。意外と礼儀正しい。
「どうしてここに?」
「勉強しようと思ったら、道に迷ったんだ」
勉強? そんなモンスターもいるのか?
「……勉強するなら、これでも使うか?」
俺はバッグから学校の教科書を取り出し、モンスターに手渡した。
モンスターは驚いたように本を見つめ、しばらくすると喜びに震えだした。
「ありがとう……! でも、ぼく、どうすれば帰れるんだろう」
「それがわかれば苦労しねえよ」
だが、考えても仕方がない。駅の先に進むには、誰かに道を聞くしかない。
「仕方ない、やってみるか」
俺は怒りと悲しみの声を発動させ、声を響かせた。
「おい、誰かいないのか!! ここはどこだ!! 俺を出口に案内しろ!!!」
──直後、空気が震えた。
「ピンポンパンポーン」
突然、駅のスピーカーが鳴り、アナウンスが流れる。
『迷子のお客様を発見しました。案内係が参りますので、しばらくお待ちください』
何だこれ……。
しばらくすると、駅員の格好をしたモンスターがホームに現れた。
「お困りですか?」
「……ああ。出口はどこだ?」
「では、ご案内します」
駅員のモンスターは、ゆっくりと改札の外へと案内してくれた。
俺は振り返る。迷子のモンスターは、教科書を開いたまま手を振っていた。
「ありがとう、がんばるよ!」
「おう、しっかり勉強しろよ」
──こうして、俺は謎の駅を脱出した。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 影走り / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声 / 獣の膂力 / 王の風格 / 道草 / くしゃみ / 自爆
アイテム: 大量の懸賞金 / 誰かの目玉 / まさひこのネームプレート / ウナギ / 針×2 / 鍵束
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 奇跡の指輪




