ガーゴイルの牢獄
【46階層】ガーゴイルの牢獄
「……なんだこれ」
気づけば、俺は石造りの牢獄に閉じ込められていた。
硬い床。冷たい鉄格子。壁にかかる錆びついたランプ。
「まさか……道草のスキルか?」
さっきの階層を抜けて、ほんの数歩進んだはずだった。だが、気がつけば見知らぬ場所に座り込んでいる。
──呪われたスキル「道草」。どうやら、勝手に発動して俺を迷わせる効果らしい。
「洒落にならない……!」
脱出を試みるべく、牢の外を伺うと、鎧を着た石像が見張りのように立っている。
──看守のガーゴイル。
生きているのか、ただの置物なのか判断がつかない。が、じっと観察していると、突然首がカクンと動いた。
──ダメだ、こいつは敵だ。
牢の扉には鍵がかかっている。どうにかしないと出られない。
「……ガーゴイルならこれを試してみるか」
俺は首にかけていたガーゴイルのネックレスを外し、それを鉄格子の隙間から看守に見せつけた。
すると、ガーゴイルの目が淡く光り、静かに鍵束を差し出してきた。
──なるほど、王の風格のスキルも効いたらしい。
「忠誠を示したつもりか……まあ、助かる」
俺はネックレスを差し出し、代わりに鍵束を受け取る。カチャリ、と鍵を回し、扉を開けた瞬間──
「……ッ!」
ガーゴイルの視線が鋭くなった。
どうやら、牢の外に出た瞬間、友好モードが解除されたらしい。
「なにがどうなってるんだ……」
ガーゴイルが動き出す。石造りの体を引きずるようにこちらへ向かってくる。
まずい、武器がない。どうする──
──その時。
「はっ……はっ……へっくしゅん!!」
不意にくしゃみが出た。
その瞬間、ガーゴイルがピタリと動きを止める。
「……?」
どうやら、意外なことに驚いたらしい。隙を見せたな。
「よし、行くぞ」
牢の外、壁に立てかけられていたヴァイオリンを手に取る。
「おらああああ!!」
ヴァイオリンを全力でガーゴイルの顔面に叩きつける。
バキッ! バキバキッ!!
ゴーレムのような硬い体に音を立ててぶつかる。
最後の一撃で、ガーゴイルの首が砕け散った。
勝った
「……スキルの暴発が良い方にでてくれたか」
牢獄の奥には、さらに扉があった。
俺はポケットに鍵束を突っ込み、牢獄を後にした。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 影走り / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声 / 獣の膂力 / 王の風格 / 道草 / くしゃみ / 自爆
アイテム: 大量の懸賞金 / 学校の教科書 / 誰かの目玉 / まさひこのネームプレート / ウナギ / 針×2 / 鍵束
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 奇跡の指輪




