呪いの塊
【45階層】呪いの塊
新たな階層へ足を踏み入れた瞬間、妙な圧迫感を覚えた。
「……なんだ?」
霧のような黒いもやが、床を這うように広がっている。部屋の中心には、一際濃密な黒い塊が蠢いていた。
──呪いの塊。
動物でも人型でもない、不定形の存在。明らかに嫌な気配を放っている。
「まあ……試してみるか」
俺は一つの考えに至った。
──とりあえず丸呑みすれば、どうにかなるのでは?
これまで何度も、強敵を丸呑みして何とかしてきた。ならば今回も──いけるか?
俺は迷うことなく「丸呑み」を発動し、呪いの塊へと食らいついた。
ずるっ……!
「うぐっ……!?」
冷たい。ざらついている。体の内側を這い回るような感触がする。
──だが、飲み込めた。
呪いの塊は、俺の体内へと消えていった。
「……っ!?」
次の瞬間、猛烈な悪寒が襲いかかる。
──体が、呪われた。
視界がぼやける。内臓が焼かれるような感覚。力が抜け、膝がガクンと落ちる。
「や、やばい……!」
立ち上がろうとしたが、何かが違う。
──スキルの気配が変わっている。
俺は呆然とした。
**「コスモバスター」**のスキルが消え、代わりに「道草」という見慣れないスキルが入っている。
**「回復体質」**が「くしゃみ」に。
**「さらに針だらけの体」**が「自爆」に。
「……は?」
何がどうなったのか、一瞬理解が追いつかない。
「ちょっと待て、これはどういう……」
スキルを確認するが、元のものとはまるで違う。
「道草? くしゃみ? いや、自爆ってなんだよ!!」
しかも三つのスキルとも呪われている!
消すことが出来ず、勝手に発動もしてしまうらしい。
俺は頭を抱えながら、失ったスキルの感触を思い返そうとする。だが、すでに消え去っている。
「これは、大変なことになったな……」
スキルを失ったのも痛いが、よくわからないスキルに枠を占領されてしまうのも辛い。
「……とにかく、次へ進むしかないか」
丸呑み万能説、完全に崩壊。
慎重に進めというメッセージなのかもしれないが、今さらそんなことを気にしている余裕もない。
俺は呪いの影響を引きずりながら、階段を目指した。
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 影走り / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声 / 獣の膂力 / 王の風格 / 道草 / くしゃみ / 自爆
アイテム: 大量の懸賞金 / 学校の教科書 / 誰かの目玉 / まさひこのネームプレート / ウナギ / 針×2 / ガーゴイルのネックレス
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 奇跡の指輪




