空飛ぶ虎
【39階層】空飛ぶ虎
虎だな。
まごうことなき虎だ。
いや、ちょっと待て。
デカくないか?
——グルルル……
「うわぁ……」
いろんなモンスターと戦ってきたが、やっぱり本物の虎が目の前にいると迫力が違う。
しかもこいつ、筋肉の塊だ。
ダンジョン補正でさらにデカくなっているせいか、もはや戦車のような威圧感を放っている。
——ガァァアア!!
「くっ!」
ヴァイオリンを盾にしてタコ殴りをぶち込む。
だが、虎は微動だにしない。
「……マジかよ。」
この圧、どこかで……
——空飛ぶベッドか。
あれもとんでもない相手だった。
家具相手に死闘を繰り広げるとか、考えてみるとおかしな話だ。
……考えている場合じゃない!
こいつをどうにかしないと、俺が食われる。
「なら……試す価値はある!」
俺はバッグから『空飛ぶベッドの残骸』を取り出した。
そして——
「ぶち込む!!」
できるだけ深く、虎の体内へと押し込む。
——ゴゴゴゴ……!!
「……ん?」
虎が、浮き始めた。
「……マジか?」
虎はパニックになりながら暴れるが、重力に逆らうようにどんどん上へと浮いていく。
「相性が良かったのかもな。」
なんとか虎を倒した扱いになったようで、スキルが現れる。
「獣の膂力……強力そうだ。」
だが、何かを捨てないと……
「……伸びる頑丈な首か。」
意外と便利なスキルだったが、この先を進むにはより大きな力が必要になる。
そんな気がしていた。
俺は『伸びる頑丈な首』を手放し、『獣の膂力』を獲得した。
気づけば、虎は空を飛ぶことに慣れつつある。
「……あの虎も、大したもんだな。」
空飛ぶ虎と戦うことになったらたまらない
俺は余計なことを考えず、さっさと次の階層へ向かった。
——
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / コスモバスター / 影走り / 持ち物台無し / ぶち込む / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声 / 回復体質 / 獣の膂力
アイテム: 大量の懸賞金 / 抜群な酒 / 学校の教科書 / 誰かの目玉 / まさひこのネームプレート / ウナギ
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り / 奇跡の指輪




