重圧の試練
【36階層】重圧の試練
——体がズシリと重い。
何故か理由はわかる。この階層では、入った時に持っていたアイテムが多いほど体が重くなる。
「なるほどな……」
この重量は軽い方なのか、それとも大分重いなのか……
答えはわからないが、確実に動きにくくなっているのは間違いない。
——そして敵。
姿を現したのは、錠前だらけのエルフ。
全身を無数の鍵で覆われた異形の存在が、俺を見下ろしていた。
——シュッ!
放たれる矢。
「っと!」
体の重さに足がついていかない。
何とかヴァイオリンでガードしながら、ギリギリの回避。
「クソッ……!」
距離を詰めるために動こうとするが、相手の方が圧倒的に速い。
このままでは一方的に撃たれ放題ってわけか。
——また矢が放たれる。
……さっきより正確だ。
まるで俺の動きを学習したかのように、より確実な狙いをつけてきている。
しかし、だからこそ俺は気づいた。
「……狙ってるのは、頭だけか。」
しかも、撃つことに夢中で、こちらの動きを警戒する様子がない。
まるで機械のように、狙いを定めることしか考えていないように見える。
——理性が乏しい。
ならば、やりようはある。
俺はスキル『伸びる頑丈な首』を使い、首をランダムに伸び縮みさせる。
これで頭部への照準が狂う。
矢が俺の頭を捉えるたび、突如として標的が遠のく。
——だが、これが本当の狙いじゃない。
エルフが攻撃に集中している隙に——
俺は両手にエネルギーを貯める。
「……いける!」
相手が次の矢を放とうとしたその瞬間、
俺は渾身の力で叫んだ。
「コスモバスター!!!!!!」
——ズドォォォォォン!!!!
エルフは反応する間もなく、
錠前ごと消し飛んだ。
「……っはー……」
しかし、倒した直後、妙な違和感が残る。
あのエルフ、反応が鈍すぎた。
もしかしたら、何らかの理由で意識を奪われていたのかもしれない。
もし、俺の持ち物が少なく、体が軽ければ……
もっと近づいて、コミュニケーションを取ることができたのかもしれない。
——今さら考えても仕方ない。
「まぁ、良しとしよう!」
俺は気持ちを切り替え、次の階層へ向かった。
——
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / コスモバスター / 伸びる頑丈な首 / 影走り / 持ち物台無し / ぶち込む / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声 / 回復体質
アイテム: 大量の懸賞金 / 抜群な酒 / 学校の教科書 / 誰かの目玉 / 悪魔の書 / 空飛ぶベッドの残骸 / まさひこのネームプレート
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / マント(残り3分の1) / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り




