見えざる死
【34階層】ボス 見えざる死
——またボスか。
諦めと共に受け入れる。
ここ数階の流れからして、驚きはない。
「今までと同じように倒せばいいだけだ。」
俺は周囲を見渡す。
……何もない。
白い床、白い天井、白い壁。
ただの静寂が支配する世界。
「……どこにいる?」
確かにボスの気配はする。
しかし、敵の姿は見えない。
——ギシッ。
歩を進める。
ズシリ。
「……ん?」
体が重い。
「何だ……?」
攻撃か?
何かの影響を受けている?
——ゴホッ。
咳が出る。
「……ッ」
視界がかすむ。
「まさか……」
——そんなことが。
「病、だと……?」
体を蝕む見えない殺意。
過去最強の敵と言ってもいい。
「これは……マズい……」
俺はもはや立つことすら難しくなっていた。
ついさっきまで普通に歩いていたのに——
「……ダンジョン……こんなことまで想定しなければならないのか……」
こんな形の戦いがあるとは思わなかった。
あらゆることを想定し、準備した者だけが突破できるのかもしれない。
だが……
準備がないなら、対応するしかない。
「……仕方ない、やるしかないか……!!」
俺はスキル『ぶち込む』を発動。
手持ちのアイテム——
人体保存液を、自らの体へ直接ぶち込む!!
——ズブゥッ!!!
「うぐっ……!!」
全身に激しい衝撃。
内側から何かが爆発するような感覚。
——バチバチバチバチッ!!!!
「ぐ、うおおおおおおお!!!!!」
全身が痙攣する。
「何を入れてしまったんだ……俺は……ッ!!」
のたうち回る。
意識が遠のく。
——しかし、その朦朧とした意識の中で、新しい力の気配を感じた。
スキル『回復体質』を獲得。
「……これだ……!!」
迷う余裕はない。
俺はすぐに『右手強化』を捨て、新たなスキルを選んだ。
……動ける。
完全に治ったわけではないかもしれないが、
動ける!……のか?これは?
病は気からとも言う。
「……あまり気にしないことにしよう。」
俺はふらつく足で、次の階へと向かった——。
——
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / コスモバスター / 伸びる頑丈な首 / 影走り / 持ち物台無し / ぶち込む / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声 / 回復体質
アイテム: 大量の懸賞金 / 抜群な酒 / 学校の教科書 / 誰かの目玉 / 悪魔の書 / 空飛ぶベッドの残骸 / まさひこのネームプレート
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / マント(残り3分の1) / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り




