水球
【33階層】ボス 水球
「……嘘だろ……」
足を踏み入れた瞬間、嫌な予感が全身を駆け巡った。
——ボスの気配。
「またボス? また? またなのか?」
これで4連続目だ。
「このままずっとボス戦が続く……なんてことは……ないよな……?」
——ポゥン……
静かに宙に浮かぶ、スイカほどの大きさの水の球。
「……これがボス?」
俺の目の前で、球がフワリと動いた。
次の瞬間——飛んできた!
「っ!」
咄嗟にヴァイオリンで叩き落とす。
——バシャッ!
球は砕け散り、水滴となって宙に舞った。
……が、
「!?」
水は空中でまた一つに戻ると、俺の顔を包み込んだ。
「ま、まさか!!?」
——取れない!!
首を振っても、手で払っても、
水はしっかり俺の顔に張り付いたまま。
「ぐっ……!!」
——呼吸ができない!!
俺は焦りながら、即座にスキルを発動。
「丸呑み!!」
——ゴボボボ……!!
呑んだ。呑んだが——
——水が再生する。
「くそっ!!!」
次に、俺はスキル**『持ち物台無し』**を発動。
——しかし、効果なし。
(水は持ち物じゃないからか……!!)
次の瞬間、強烈な窒息感が襲いかかる。
「……ッッ!!!」
マズい。このままだと死ぬ。
どうする?
何か突破口は——
(……いや、待てよ)
俺はあるスキルに賭けることにした。
「……なら、これだ!!」
『伸びる頑丈な首』、全力発動!!
——ズオオオオオッ!!!
首が一瞬で天井近くまで伸びる。
すると——
「ッ!!」
一瞬だけ、水が俺の顔に追いつかず、息が吸えた!!
(やれる!!)
次に、首を急激に縮める!!
シュンッ!!!
また一瞬、呼吸できた。
(……なるほど……)
俺はこれを繰り返すことで、なんとか窒息を回避し続ける作戦に出た。
——丸呑み。首伸ばし。息を吸う。首縮め。息を吸う。
それを延々と繰り返す。
「……ハァ……ハァ……」
長い時間地道に丸呑みを続けたが、状況は変わらない。
決定打がない。
(どうする……どうやって倒す?)
俺は首を伸び縮みさせながらフロアを歩き回り、
何か突破口がないか探し始めた。
——すると。
「……あれ?」
——下りる階段。
(え? 降りれるのか?)
俺は半信半疑で、階段に足を踏み込んだ。
すると——
——スッ……
水が俺から剥がれた。
「…………」
これでいいのか!?
どうやら、俺が階段を降りることで、
このフロアは突破したことになったらしい。
「…………」
次の階がボスでないことを祈りながら、
俺は静かに歩を進めた——。
——
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 右手強化 / コスモバスター / 伸びる頑丈な首 / 影走り / 持ち物台無し / ぶち込む / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声
アイテム: 大量の懸賞金 / 抜群な酒 / 学校の教科書 / 誰かの目玉 / 人体保存液 / 悪魔の書 / 空飛ぶベッドの残骸 / まさひこのネームプレート
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / マント(残り3分の1) / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り




