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怒りと悲しみの声

【32階層】ボス  怒りと悲しみの声


「……まさか……」


階段を降りた瞬間、直感した。


——またボスの気配。


「嘘だろ……」


ついさっき連戦を突破したばかりだぞ。

強大な試練はもうお腹いっぱいなんだが。


——ザワザワ……


突然、よくわからない謎の声が響いた。


怒りと悲しみが入り混じったような声。

しかし——実体がない。


「こいつがボス……?」


——ドゴォォォォン!!


!!!


突如、全身を締め付けるような衝撃!


(……声だけでダメージが入る!?)


「くっ……!!」


激しい感情が、精神と肉体を削っていく。


ヴァイオリンを振り回しても当然のように無意味。

耳をふさいでも、音の振動が骨を伝って響く。


対処のしようがない……


「……こんなのありかよ……!」


このままじゃジリ貧だ。

まずは敵の正体を探らなければ。


こいつは何にそんなに憤っているのか?


そこに攻略の糸口があるかもしれない。


「……なら、これを使うか。」


俺は『いい声の瓶』を取り出し、

パカッと開けた。


——ゴォォォ……!!


波のように押し寄せていた怒りと悲しみの声が、

少しだけ言葉として聞こえるようになる。


「……うらやましい……」


……なんだって?


「レアスキル……持ち物台無し……」


「……が、うらやましい!!!!」


「…………………………」


…………は?


「…………ただ僻んでいただけだった……?」


「そんなことで切れてんじゃねぇ!!!!!!!」


俺の怒りと悲しみの叫びがスキルになり、

いい声の瓶の効果で増幅され、敵へとぶつかる。


——ドゴォォォン!!


声と声のぶつかり合い。

その波動の中に、

何か空気の塊のようなものが揺らめいて見えた。


「そこか……!」


俺は即座に『丸呑み』のスキルを発動!


——ズオオッッ!!!


「……ッ……!!!」


小さくなった敵の怒りと悲しみの声が、

まだ何かを叫んでいる。


「うるせぇ!!!」


俺の声が、敵の声を圧倒した。


「……はぁ……」


戦いが終わると同時に、

俺の心も少しだけ軽くなった気がする。


——そして、俺は気づく。


「……このスキル……保持するには、何かのスキルを捨てる必要があるのか。」


『怒りと悲しみの声』——

敵の残滓とも言えるこのスキル。


不思議と可能性を感じるスキルだ………

打撃以外の貴重な攻撃方法になるかもしれない。


俺は、迷ったが——


「……まあ、不良殴りはいらないか。」


別に普通に殴ればいい。


俺はスキルを入れ替え、

戦闘後に現れた下へ降りる階段へ向かった。


——


・リソース更新

スキル: 蜘蛛の感覚 / 右手強化 / コスモバスター / 伸びる頑丈な首 / 影走り / 持ち物台無し / ぶち込む / タコ殴り / 丸呑み / 怒りと悲しみの声

アイテム: 大量の懸賞金 / 抜群な酒 / 学校の教科書 / 誰かの目玉 / 人体保存液 / 悪魔の書 / 空飛ぶベッドの残骸 / まさひこのネームプレート

装備: バッグ / 耐熱の手袋 / マント(残り3分の1) / ヴァイオリン / おしゃれな髪飾り


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