機械の墓場
【21階層】機械の墓場
前の階では酷い目に遭った。
四体のボスと戦い、持ち物のほとんどを失い、穴に落ちて、なんとか這い上がった。
その結果、新たなスキルが増えたが……
「影走りと……持ち物台無し?」
なんだそれは。
試しに懸賞金の札一枚をバッグから取り出してみると——
シュウウウ……。
札が灰になって消えた。
「えぇ……。」
【スキル・持ち物台無し】
——持ち物を台無しにするスキル。
「いらなすぎる。」
深いため息をつく。
周囲を見渡すと、この階は機械の山が散乱している。
壊れた歯車、バラバラになったアーム、焦げた回路基板……
……そして、そこに埋もれる冒険者の白骨。
「またか。」
このダンジョンに来てから、何人の死者を見ただろう。
もはや慣れすぎて、悲しむより先に「何か役に立つものがないか」と考えてしまう。
……あった。
白骨のバッグ中に抜群な酒の瓶。
肩にはマントがかかっている。
「もらっていくぞ。」
酒の栓を開けて少し匂いを嗅ぐ。
「……うまそう。」
そう思った瞬間——
ピピピピピ!
電子音。
周囲の機械の残骸の奥から、赤い目が点滅する。
「……機械のモンスターか。」
彼らの視界に俺の姿が映った瞬間——
『危険判定』
警告が点滅する。
……と思ったら、次の瞬間には襲いかかってきた。
「おいおい、どの辺が危険判定なんだよ!」
殴り飛ばす。
——が、効いてない。
金属の装甲が硬い。
「参ったな。武器が何もない。」
……仕方ない。
足元に転がる機械の部品を拾う。
それを喧嘩殴りで無理やり叩き込む!
ガンッ!ガンッ!
何度も同じ個所を叩く。
影走りで相手の攻撃をいなしながら、徹底的にめり込ませる。
「これでどうだ!!」
バチッ!
——機械の部品と内部の回路がぶつかってショートしたのか、機械のモンスターが停止。
「よし。」
スキルが脳に流れ込んでくる。
【スキル・ぶち込む】
——ものを対象にめり込ませるように打ち込む。
「これは使えそう……なのか?」
しかし、新たな機械のモンスターが集まってくる気配がする。
「さっさと降りた方が良さそうだな。」
足を速め、次の階へ向かった——。
——
・リソース更新
スキル: 蜘蛛の感覚 / 右手強化 / コスモバスター / 伸びる頑丈な首 / 不良殴り / 影走り / 持ち物台無し / ぶち込む
アイテム: 大量の懸賞金 / 抜群な酒
装備: バッグ / 耐熱の手袋 / マント




