タフな紳士の流儀
【19階層】タフな紳士の流儀
誰かがいる。
薄暗いダンジョンの奥、男が静かにたたずんでいた。
「……まさか!」
消え色のチャコールグレイ。「モイスチャー・シュトレーゼマン」が現れた!
あのモイスチャー・シュトレーゼマンが、なぜこんなダンジョンに!?
「モシュシュー!!!!!」
突如、モイスチャーテクノロジーの気配が立ち込める。
まさか——あのモイスチャー・シュトレーゼマンと戦闘になるとは!
喜びと同時に、緊張が走る。無様な戦いはできない……。
俺は一気に攻め込んだ。
炎の心得 × 火球の術
火の玉を急所に正確に叩き込み続ける——
が、
耐えている。
「タフだ……。」
次の瞬間、彼の指先が優雅に舞う。
「モイスチャーミスト」——!!
視界が一瞬で潤いを帯び、優しくふさがれる。
ならば——
犬化
鼻を利かせ、正確に位置を捉え皮膚を食いちぎる!
が、
耐えている。
「タフだ……。」
モイスチャー・シュトレーゼマンの指先が再び動いた。
「モイスチャーマジック」
何が起こる!?
——自分の歌が上手くなった。
「……良い方向に出てくれたか……」
災い転じて福モイスだ!
右手強化 × 不良殴り
ボコボコにした。
が、
なんとか耐えている。
「タフだ……。」
ならば、とっておきだ。
断ち切る剣
一気に両断するべく、思い切り振りかぶる。
——その時。
モイスチャー・シュトレーゼマンが静かに両手で静止のジェスチャーをした。
そして、何も言わずに静かに背を向け、紳士然と去っていく。
俺はただ、それを見送るしかなかった。
「……実物もタフな紳士だ……。」
戦いの果て、俺はスキルを得た。
——「モイスチャーテクノロジー」
それと引き換えに、魚変化のスキルを捨てた。
多彩なモイスチャーテクノロジーを使いこなせるかはわからないが、ダンジョンを進む上で大きな力になるだろう。
静かに次の階へ向かった。
——
・リソース更新
スキル: 炎の心得 / 蜘蛛の感覚 / 右手強化 / コスモバスター / 伸びる頑丈な首 / 出会いの道 / 不良殴り / 火球の術 / 犬化 / モイスチャーテクノロジー
アイテム: 便器の欠片 / いたずら妖精の瓶 / 大損の引換券 / 新緑の宝石 / パラレルダンジョンチケット / 名工の砥石 / 鳥の羽 / 焼けた鶏肉
装備: バッグ / ナイフ / 耐熱の手袋 / 鍵爪付きロープ / 断ち切る剣




