表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/100

冒険の始まり

【1階層】冒険の始まり


目を覚ますと、そこは見知らぬ石造りの部屋だった。湿った空気。ほんのりと苔の匂いがする。


(……どういうことだ?)


混乱しつつも、周囲を見回す。持ち物はバッグとナイフ一本。記憶はある。だが、なぜここにいるのかはわからない。


次の瞬間、頭の奥に情報が流れ込んできた。


——99階層のダンジョン。最下層まで到達すれば脱出できる。


(は?)


意味不明な直感だが、拒否する余地はない。進むしかないらしい。


目の前には一つの扉。そしてその向こうから、小さな何かが動く音がする。慎重に扉を開けると……


「スライム、か」


青白いゼリー状の生物が、こちらを認識したようにうねる。冒険者なら誰でも知っている、最弱の魔物。だが、今の俺にはナイフ一本しかない。油断はできない。


スライムが跳ねた。攻撃か? いや、違う。天井に張り付き、そこから飛びかかろうとしている。


「なるほど、意外と頭は回るな」


横に飛び退く。スライムが床に激突し、べちゃりと音を立てた。隙だ。すかさずナイフを振り下ろす。


……しかし、手応えがない。刃がゼリー状の体を滑っただけだった。


「そう簡単にはいかないか」


スライムは形を整え、再び飛び跳ねる。何か手がかりはないか——。


(そうだ、スライムの弱点は……)


周囲を見渡すと、壁にある小さなたいまつが目に入った。


(燃やせばいい)


素早くたいまつを引き抜き、スライムに向けて振るう。火に反応し、スライムがたじろいだ。


「これで決まりだ」


たいまつを押し付けると、スライムの体がぐつぐつと煮えたぎり、やがて弾けるように消えた。


……ふぅ。


初戦から楽ではなかったが、どうにか勝利。頭に何かが浮かんでくる。


(スキル……『炎の心得』?)


これは、火を扱う技術が向上するスキルらしい。


「悪くないな」


ダンジョン攻略の第一歩としては上々だ。


——次の階へ進むとしよう。


・リソース更新

スキル: 炎の心得

アイテム: 松明

装備: バッグ / ナイフ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ