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障子にかわいい目あり

作者: HARUNE

 今は昔、家の子がまだ小さかった頃のお話。

 ある日のことお留守番をお願いしてみることにした。

「お母さんが帰って来るまで、誰が来ても出てはいけませんよ。じゃあ行ってきまーす。」

 すると…。

 今は昔、家の子がまだ小さかった頃のお話しです。


 ある日のこと、少しずつお留守番に慣れてもらおうと回覧板をお隣に届ける間、お留守番をお願いしてみることにした。


 家は田舎なのでお隣がそれなりに離れている。

 心配性の私は、それまでは近所でちょっと用を足すだけでも必ず子供達を連れて歩いていたが、だいぶ大きくなってきたので、試みてみた。


 私は言い聞かせた。

「お母さんが帰って来るまで、誰が来ても出てはいけませんよ。じゃあ行ってきまーす。」

 子供達は頷いた。


 

 さて、帰って来た私。いたずら心が働いて

「ピンポーン。」

 チャイムを押して様子を伺う。

 速攻でバタバタバタと階段を駆け降りてくる足音がして、ピタリと足音が止んだ。

 おっ。一階に着いたぞ。

 声色を変えてみる。

「トントントン。お母さんですよー。ドアを開けておくれ。」

 気分はさながら「狼と7匹の子ヤギ」の狼だ。


 子供達が気配を消して玄関の隣の部屋へやって来て、窓からこちらの様子を伺う気配がバリバリに伝わって来た。

 一人ほくそ笑んでいると、

 ややして、ぷすっ。続いてまたぷすっと障子に穴の空く音が!

 え⁈

 でもその位置から玄関は見えないからね!


 速攻鍵を開けて家に入り、障子を確認すると、ちょうど二人の背の高さに合わせてふたーつ。

 指であけたと思われる可愛らしい穴が空いておりました。


「おかえりー。」

 との無邪気な声に思わず笑ってしまい、あまりにも可愛らしかったので、穴は暫くそのままにしていましたとさ。



 と言う懐かしい思い出話でした。


 障子にかわいい目あり。


                   おしまい

 お読みいただきありがとうございます。

 かつての日常の一コマですが、ほっこりして頂けたら嬉しいです。

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