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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
7/56

女子会(普通に浮気)


「…」


ワイングラスに口をつけたまま長崎はじっと私を見つめたあと、思い出したようにコクリと一口ワインを流し込んだ。


「…まぁあっちが上手いだけで好きになるかと言われればそういうわけでもないないしね」


私は柿の種をつまみながら、ぼやいた。


「ん~玉地のセックスってあっさりしているというか、逆に初めて彼氏以外の男とセックスしてみて、彼氏とのセックスの方が好きって思ったくらいなんだよね」


チーズを割いていた手を止めて、長崎は首を傾げた。


「じゃぁ浮気エッチして彼氏の良さを再確認して、彼氏との仲が深まってめでたしになるはずだったんじゃないの?」


「そのあたりが問題なのよね」


玉地と初めてセックスをしたとき。

私にとっては人生2人目の男が玉地だったわけだが。


正直本当に何も感じなかった。

それこそ、罪悪感も。


下手というわけでも相性が最悪というわけでもない。

特別背徳感で盛り上がることも逆に萎えることもなく、欲求不満が軽く収まる程度の満足感だった。


だが、かえってそれがいけなかったのかもしれない。


「玉地とのセックスって丁度良かったんだよね。

めちゃくちゃ気持ちよくて沼ることもなく、家遊びいって一緒にポーカーするくらいのノリになっちゃって」


「…うん」


長崎はワインを自分のグラスに注いでから、私のおちょこにも日本酒を注いだ。


私は座っていたソファの背もたれに寄り掛かって天井を見つめたままぼやき続けた。


「お互い丁度いいなって思って家いったときはやったりやらなかったりして」

「過ごす時間長くなって」

「遊びいくようになったりとかして、意外と趣味が合うことがわかったりして」

「結構良い奴だよなぁとか思ったりなんかしちゃって」


ぐいっとおちょこを煽って、ため息をついた。


「……普通に好きになっちゃった…」


「…なるほどね

そりゃ、あんた、浮気だわ。普通に」


長崎はじっくりとワインを味わってから、ぷすりと言葉を刺した。



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