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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
55/56

正反対4


「あ、失礼いたしました。

お二人とも仲がよろしいようで思わず」


すっと無表情に戻った園田さんの笑顔が貴重で、しかもやっぱり葵君に似すぎてて、少しフリーズしていると玉地がのほほんと笑った。


「ほーんと、この娘は生意気盛りでねぇ。

まぁうちのチームみんなこんな感じで緩いんで、園田さんも気楽にいきましょ。

無理にとはいいませんけどね」


「…そうですね、ミーティングでも皆さんの雰囲気を少し崩してしまっているようで、申し訳なく」


「かたいかたい。

ん~口調は癖っぽいし、あだ名でもよんでみます?」


「…あだ名ですか」


「全然呼び捨てとかでもいいんですけどね。

ふゆたろも俺のこと呼び捨てですし」


「私もよくあだ名とかチーム内だとほぼ最年少なので呼び捨て多いので全然なんでもいいですよ!」


小さく手を挙げると、園田さんは私をみて首を考えるように傾げた。


「玉地さんの”ふゆたろ”というのは…」


「あーそれは玉地しかよんでないですね。

私の下の名前がふゆこなので、なぜか”たろ”がついたみたいです。

卯月とかふゆこさんとかその辺が多いですかねぇ」


なんとなく”ふゆちゃん”を除外してしまったのは、これ以上仕事に不必要な記憶がよぎらないための予防線である。

まぁ、頼んでも”ふゆちゃん”とは呼ばなそうな人ではあるけど…


「では呼び捨てというのは新参者の身で違和感があるので、ふゆこさんと」


「承知です!」


「うんうん、園田さん口調がかったいからそのくらいで丁度いいすね。

あ、ちなみに園田さん下の名前はなんていうんですか?朝礼では苗字だけお聞きしてたので…」


園田さんの首から下がっているネームプレートをにこにこしながら玉地は見て、ぴくりと固まった。



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