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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
53/56

正反対2


自然に園田さんと玉地と向かい会う形になった。

隣に上司がいるちょっとした気まずさは感じつつも、並んでいる二人をなんとなく観察できるのはなんだか少し楽しかった。


「園田は相変わらず葉っぱばっか食ってんのな」


園田さんの野菜炒めをちらりと見た七瀬さんは呆れ混じりに言った。


「胃が強くないもので」


静かに綺麗な所作で野菜炒めを一口食べた後、目を伏せつつ園田さんは答えた。


「そういうもんか?

午後からバリバリ働いてもらうつもりだから、しっかりスタミナつけとけよ。

俺の生姜焼き少し食うか?」


「大丈夫です。ありがとうございます」


「七瀬さん、人のことよりあなたがしっかりしたもん食ってくださいよ。

そのジュースは万能薬じゃないですよ?な、ふゆたろ」


唐突に玉地に振られて慌ててカレーを飲み込む。


「んえ?あぁ、そうですよ七瀬さん。

禁止令でてますよね?私忘れてませんよ」


「いや、これは新フレーバーで」


またわけのわからない言い訳をしようとする主任をジトっと見つめる。


「こないだ奥様が悲しんでましたよ。

早死にするって」


「え、卯月いつの間にあいつに会ってたんだ」


「このあいだ健康診断帰りに同期に会いがてら本社に顔だしたんです。

美知留さん相変わらずお綺麗で素晴らしいですね。」


「んお、お、おう」


「そんな素晴らしい奥様の嘆きを無視するんですか?七瀬主任。

言っときますけど、逐一チクりますよ、私」


「おう…少し控えるよ…」


しょぼんとしてエナジードリンクの缶をコツッと置いた主任はとぼとぼと無料の緑茶を取りに行った。


「すごいですね、卯月さん」

「ふゆたろ、強い」


はもる二人の言葉に笑った。



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