表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
45/56

下心なしの優しさ_ダメージ1


「ふゆたろ生きてるか?

なんか食べる?」


「…りんご」


初めはベッド際のデスクで仕事をしている玉地のPCを覗き込んだりして茶々をいれていたものの、少しずつ熱が上がってきて、ベッドに沈みこんでいた。


いつの間にかお昼になっていたらしく、PCをパタンと閉じた玉地が頭を撫でながら聞いてくる。


「ちっちゃく切ったら食える?好きな食べ方ある?」


「…すりおろし。ケンタ。」


「す、すりおろし?しかもケンタも食うん?

食えるんか?」


ベッドに埋まるように頷くと、「わがままちゃんやなぁ」と言いながら頭をさらっと撫でて、パタンと部屋を出ていく音がした。


この家におろし器なんてものがあるわけないし、ケンタも近くにない。

言うだけならタダかなと思って言ってみたけど、どっか行っちゃった。


林檎切ってきてくれるんかな。


ーー


全然部屋に戻ってこないので、ちょっとおなかすいたなと思いつつも、目を瞑って、うつらうつらと眠っていた。


ノリだと分かってるとは思うけど、図々しいと少しでも思われてたらヤダな。

食欲無いふりして手間かけないほうが良かったかな。

面倒だから外でご飯食べてたらどうしよ。

…そばにいてくれるだけで嬉しいのに、それを伝えることさえできない。


いつものネガティブに入りそうになると、熱が頭をぼうとさせてくれて、かえって頭が軽く感じた。


少し目を開いて玉地がいた痕跡を探していると、ガチャリと部屋が空いて、鼻歌交じりに近づいてくる音がした。


慌てて目を閉じた。

なんで閉じたんだ。


「やっほーふゆたろ。

おきてる~?」


おでこをそっと触れてくる手に目を開けると、にこにこした玉地が片手に深いお皿を持って覗きこんできた。


「お、起きてるな。

リンゴ食う?」


「…食う」


りんご切ってくれてたんだ。

妙に時間かかってた気がするけど、熱のせいで時間間隔ずれてるのかな。


まぁ私が買ってくるまで包丁もまな板もなかったしな…と思いながら身体を起こすと、持てるか?と聞きながら玉地がお皿を渡してきた。


ひんやりしたお皿を見ると、そこにはところどころ小さな固形の、すり下ろされたりんごが満たされていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ