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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
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玉地魁人、28歳


こんなにきちんと体調を崩したのは、久しぶりだ。


大学生から一人暮らしを始めてもう10年以上たつ。


やはり”一人”という意識から気を張るのか、この10年ほど大きく体調を崩すこともなかった。

だから、蜃気楼のように目の前が歪んで見える今のこの状況が少し楽しくすらあった。


まぁ、お気楽に楽しめているのも、蜃気楼の向こうでやれやれとテキパキ動いてくれている女の子のお陰なのは確かだけど。


「玉地、少し起き上がれる?身体拭くよ」


「あぃ」


まるでじじいにでもなった気分だ。

だけど純粋に、あたたかな濡れタオルで汗ばんだ身体を拭かれるのはとても心地いい。


「ありがとなぁ、ふゆたろや」


「あいよ、とっつあん。終わったからこれ着て」


「あい」


慣れを感じる非常にてきぱきとした動きをのんびりと目で追いながらぼぅとする。

実家暮らしで一人暮らし経験もないと言っていたけど、病気のときに必要なものをさっと買ってきたり、看病したり、何故か段取りが妙に良い。


職場における新卒感のなさといい、不思議な子だ。


部に配属されてきたときも、落ち着いた様子でゆっくりハキハキと口を開き挨拶していた。


小柄でのほほんとした小動物のような雰囲気に反して、話すとなかなか語感が強く、態度もでかい。

ただ臆せずなんでも赤裸々に話すので、結構ラクで楽しい。


しっかりしなければと肩肘張っている感じは若さを感じて微笑ましいかも?


ほんとに、それだけだった。

ふゆたろに抱いている印象は。


全く抱くつもりなんてなかった。

特に同じ職場でそんな行為は自爆行為だ。


同じ職場の女を抱くなんて、馬鹿のすることだと呆れていたくらいだった。


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