仕事詰めはろくなことがない【なんで別れたの?_1】
「んぁ」
酷い暑さに目が覚めると、既にお昼近い時間だった。
何故か一緒になって寝ている玉地を見下ろして首を傾げてから、その頬をぶすぶす刺してみる。
「おーい、玉地。もうお昼だよ。
無駄に早起きな君らしくもな…ぃ………熱いな」
触れた肌の異様な熱さに眉を寄せておでこを触る。
かき分けた前髪から除く表情は玉地らしくもない険しさで、ため息をついた。
「はぁ、まっち~?君景気よく熱出してるねぇ」
「んぇ?あぁ、確かに、暑くて、寒いかもぉ」
「体温計ある?」
「えぇと、あったかな。なんかあの辺にあった気もする…」
ベッドからふらふらと立ち上がる様子を見届けて、キッチンに行き冷蔵庫を開けた。
この間暑中見舞いで会社からもらったビール、賞味期限切れのウィンナー、残り僅かな水。
「…流石、男一人暮らし。なんもない」
仕方ない、近くの薬局に買い出し行くかと考えていると、ドタンと音がした。
慌てて部屋に戻ると、ベッドの手前で膝をついてベッドに寄りかかっている玉地が目に入った。
「…だいじょぶ?」
「だいじょばない…」
ふらふら立ち上がる玉地に手を貸しながらベッドに転がすと、残りわずかだった水を渡し、体温計を脇に差し込んだ。
「あぃがと、ふゆたろ。
うつるといけないから、気を付けて帰りな。既にうつってたらごめんだけど…」
「さすがに家になんもないの知ってて知らんぷりして帰るのはなぁ。
そこまで冷たくもないよ私も。
なんならうつるなら既にうつってるし」
「うぅ」
「とりま買い物行ってくるから、なんか食べたいのある?」
「んん、なんか、ゼリーみたいな…」
「おけ」
ピピッと鳴った体温計を見ると、38度3分となかなかな数字が出ている。
「ちなみに君平熱は?」
「ん~35度ちょっと?」
「…買い出し行ってる間に死なないでよ?」
がんばるぅとうつろに返事を返す玉地を置いて、急いで家を出た。




