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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
34/56

仕事詰めはろくなことがない【5】

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「玉地~、ついたど。いったん自分の足で立って」


「…ん~あい~」


掴んでいた腕を一度離して、ずるずると座り込む玉地をしり目にドアにカギを差し込む。

ガチャリと回して、座り込んでいる玉地の前にしゃがみ込む。


「おじちゃ~ん、立てるかなぁ~?」


「むぃ」


「じゃおやすみ」


「ねぇぇぇ」


立ち上がろうとすると、唐突に無造作に首に手を回されてぐいっと引き寄せられる。

勢いよく迫る玉地、がもたれている石壁に素晴らしい反射神経で手をついて正面衝突を防ぐ。


そしてすりすりと頬を擦り付けてくる玉地の耳を引っ張った。


「立て、あほ」


「うぅぅ。ひどいぃ」


「君がね。あと一歩で傷害罪だよ。

もう~」


両足を踏ん張って自分より少し大きい成人男性を一瞬持ち上げ、玉地の足と足の間に膝を差し込み、座り込むのを防ぐ。


そして両手で玉地の両頬を挟む。


「んぁ」


「玄関。入る。靴脱ぐ。」


「あぃ…なんかちんちんいたぃ」


玄関に入って座り込んだ瞬間に船をこぎ始めた玉地を乗り越えて、部屋の電気をつける。


ベッドのかけ布団をめくってスタンバイして戻ると、打ち上げられたトドのような玉地がググーといびきをかいていた。


玉地の足から靴を引っこ抜いてその辺に投げて、脇をくすぐっても起きないことで覚悟を決めた。


「ふぅ…せーのっ」


わきの下を掴んでずるずると引き釣り、ベッドまで来たところでいったん玉地を落とした。


「ぃたぃん」


「ほら、立て!重い!」


落ちた衝撃でぼんやりと目を空けた玉地をぺちぺちと叩きながら言うと、とろとろと立ち上がった。


「ふゆたろもねよぉ」


「…ほんと、早く寝たいよ」


正面からぎゅーぎゅー抱きしめてくる玉地に足を引っかけてそのままベッドに転がす。


玉地の空いた両腕はサメの抱き枕に巻き付き、私はいろんな意味で満身創痍な体を引きづってお風呂場へ向かった。


そしてお風呂場の鏡に映る緩んだ自分の顔にため息をつき、シャワーの蛇口をひねった。



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