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セフレもち男を好きになるということ  作者: 一華花
第一部 23歳のもやもやする初恋
33/56

仕事詰めはろくなことがない【4】



「ーいらんなぁ…。

もう少ししたら欲しくなるかも…?やっぱ色々疲れるからなぁ」


「そうねぇ」


知ってはいたけど、ちょっとつきっとした胸を隠して、卵焼きを箸で切りながらため息をついた。


そら、やることはやっとるからな。


今が一番楽でしょーよ。

ちぇ


「2人とも枯れてるなぁ。華の20代がもったいないぜ?

あ、玉地はセフちゃんとヨロシクやってるか」


「んや?別にそんな会ってないしな。

あれはあれで疲れるし」


「「贅沢もの」」


私と石のつっこみに素知らぬ顔でふーとタバコの煙を吐くと、めんどくさそうにメニューを押し付けてきた。


「おん、すまんな。グラスあいとるぞ」


「くっ。余裕ぶりおって…。

よっしゃ、ふゆちゃん。寂しい我らはそろそろ日本酒行くか」


「君は大好きな彼女いるだろ。

まぁいいか、参りましょう」


日本酒メニューを広げながら石と注文を決めていく。


「ふゆちゃんの気分は?」


「辛いのかなぁ。この後イカくるし。

玉地は?」


「俺はいいよ。下戸だし」


「じゃ玉地は俺らの分けたるからおちょこだけもらうか。

ふゆちゃんは季節のおすすめにあるこれとこれにして、俺は辛いのとたまには甘いのもいきたいからこれにして…よし、決まり。


すいませーん」


いつも通り問答無用の石に玉地はため息をついて、私の肩に腕を乗せながら耳元にこそっと囁いた。


「…後は頼んだ。カギは鞄のポケットに入ってるから」


「…おん、まかせとけ」


おちょこ一杯では石の酒やくざは収束しないので、かなり下戸の玉地は毎度潰される。


何故か最近は私がこっそり回収するようになった。


「よっしゃ、きたぜい!

まぁまぁリーダー、ここは手前が注がせていただきますよ!」


「…おぉん、ほどほどで頼むわぁ」


もちろん石はリーダー様の言葉なんて聞いていない。


なみなみと継がれていく日本酒の美しさに玉地はだんだんとジト目になっている。


それを横目に、私も日本酒をおちょこにつぐ。


たぷたぷと。


「…ふゆたろ、まさかそれ俺に渡さないよね」


「え?少ない?これ以上は私の技術がちょっと追いつかないんだけど…」

「まかせろふゆちゃん。この石様がお手本を見してやる」


「―違うよ!多いよ!このヤクザどもはホントに…っ!」


わめく玉地を無視して、私と石はおちょこを持ち上げた。


「「おつかれぇい」」


「……はぁ」


ずるい男は、せめて酒で潰させていただこうと思う。


※お酒の弱い方、苦手な方への強要はほんとーによくありません。やめましょう。

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